ラーメン店の廃業が過去最多 “1杯1000円の壁”?なぜ値上げ難しい? コストカットで価格維持する店長「庶民の食べ物だと思っている」
いまや国民食と言えるほど身近になっているラーメン。しかし今、ある問題が起きている。東京商工リサーチによると、2023年に倒産または休業、廃業したラーメン店は74件で、データを取り始めた2009年以降最多となった。 【映像】1杯500円「赤星」の塩らーめん 原因は小麦など食材の価格や光熱費、人件費などの高騰があるが、もう一つ経営を圧迫していると言われるのが“1000円の壁”。ラーメン1杯に1000円は高いという消費者の感覚が、店側の値上げに踏み切れない要因となり、経営難に陥るケースも。 ラーメンの値上げはどれだけ難しいのか、適正価格は果たしていくらなのか。『ABEMA Prime』で考えた。
■“1杯500円”を続ける店主「ラーメンは庶民の食べ物だと思っている」
2004年に北海道札幌市で創業した「らーめんサッポロ 赤星」。醤油らーめん、塩らーめんは500円で、創業時から値段を据え置き(味噌らーめんは800円)。座席数は8、1日の平均来店者数は200人で、店長のほか社員3人、アルバイト2人で回している。 店長の前井孝政さんは昨今のコスト上昇について、「1杯100円ぐらい上がっている。やはり原材料と人件費の高騰が厳しい。他のラーメン屋さんと同じように、いろいろ工夫してなんとかしのいでいる」と説明。
原材料費の高騰に対しては「創業来使っている製麺所から小麦の値上がりがあると言われ、“こういう小麦でこういう麺が作れます”という提案を受けた。それがうちと合うかどうかを調べて変更することもある。また、スープは1日煮込んでいたものを、半日煮込んで1日寝かせるというふうにし、使うガス量を減らしている」と明かす。 総務省の「小売物価統計調査・中華そば(外食)」によると、札幌のラーメンの価格推移は2000年以降、600~700円程度で推移している(2022年は700円)。そんな中、500円という価格にこだわる理由について「ラーメンは庶民の食べ物だと思っているので、1000円、2000円と言われると“あれ?”と。昔札幌のラーメン横丁に店を出した時は、900円とか観光客向けの値段で出していたが、それは(自分たちが考える)ラーメンじゃないという思いで立ち上げたのが今の店。ランチでも飲んでも使える、いつ行っても500円で安心して食べられる店だと思っている」と語った。