最近「ETC2.0」というシステムが登場していますが、「今までのETC」は使えなくなるのですか? 今までのETCと比べて「お得」なのでしょうか?
高速道路などの有料道路の料金所で停車せずに料金を精算できる便利なETC。実は、さらに進化した「ETC2.0」というシステムに生まれ変わったことをご存知でしょうか。 本記事では、ETC2.0の概要や従来のETCからの追加機能、従来のETCが使えなくなるのか、ETC2.0のメリットなどを解説します。 ▼ガソリンスタンドで「タイヤが消耗していて交換しないと危険」と言われた! すぐに換えるべき? 交換時期の目安についても解説
高速道路を賢く使えるようになる「ETC2.0」とは
ETC2.0は、従来のETCがバージョンアップした新しいサービスです。従来のETCのように高速道路の通行料金の支払いに利用できるのはもちろん、「リアルタイムの渋滞情報の解析」「災害発生時に通行可能な道路への誘導」など、安全で効率的な走行をサポートしてくれます。 全国の高速道路に設置された通信アンテナ「ITSスポット」とETC2.0対応の車載機、カーナビが双方向通信することで多彩なサービスを提供することが可能となっており、ITSスポットは全国1700ヶ所以上に設置されています。 ■ETC2.0で追加された機能 従来のETCは高速道路などの料金所で停車せずに通行料金を精算できるシステムで、機能を有効に活用できるのは料金所を通過するときに限定されます。 一方、ETC2.0では、高速道路等を走行中、常に情報の受け渡しが可能です。それによって走行中でも情報の通信が行われ、広範囲の渋滞情報をリアルタイムに取得して最適な迂回ルートを選択できます。 またETC2.0では一時退出・再進入時の料金の同一化が進められています。高速道路に乗ったあとに一度スマートインターから退出して寄り道するときに便利です。 ■ETC2.0の普及率は年々上昇している ETC2.0は平成28年から普及が始まりました。当初の利用率は1.5%とほぼ利用されていない状態でしたが、その後は利用率が右肩上がりで上昇しています。国土交通省によれば、令和6年1月時点での利用率は33.0%となっています。 図表1
国土交通省 ETCの利用状況を基に筆者作成 ■従来のETCは利用できなくなる? ETC2.0の普及が進むと「これまでのETCが利用できなくなるのでは?」と心配になる人もいるかもしれません。 実際のところ、当面は従来のETCも並行して利用できると予想できます。ETC2.0は今までのETCに付属機能が追加された側面が強く、料金収受というETCの基本機能に変更がないためです。 ただし、2030年以降は注意が必要です。国土交通省は2017年10月、ETCに関するセキュリティ規格を変更する予定であると発表しており、旧セキュリティ規格のETCは利用できなくなる可能性があります。