おひとりさま女性「私も年金だけで生活できますか?」元公務員が厚生年金・平均貯蓄額・介護費用からシニアの老後を考える
おひとりさまの老後に必要な生活費
おひとりさまの老後では、どれくらいの生活費が必要になるのでしょうか。2024年3月公表の総務省「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」を参考に、必要な生活費を見てみましょう。 ・実収入:12万6905円 ・消費支出・非消費支出:15万7673円 ・不足分:3万768円 おひとりさま世帯の毎月の収支は、約3万円が不足する結果となっています。 貯蓄から毎月約3万円を取り崩して生活していかなければなりません。 年間で36万円程度の取り崩しをする必要があるため、前述のおひとりさま世帯の貯蓄額(中央値)ではやや心許ないといえるでしょう。
老後にかかる介護費用の平均
おひとりさま世帯は、介護を家族に依頼するのが困難です。 施設利用を見据えて、自分で介護費用を積み立てておかなければなりません。 老後にかかる月額介護費用の平均額は、以下のとおりです。 ・支払った費用はない:4.3% ・1万円未満:15.3% ・1万~2万5000円未満:12.3% ・5万~7万5000円未満:11.5% ・7万5000円~10万円未満:4.9% ・10万~12万5000円未満:11.2% ・12万5000~15万円未満:4.1% ・15万円以上:16.3% ・不明:20.2% ・平均:8万3000円 介護費用は月額8万3000円かかる結果となりました。 加えて、同調査では介護ベッドの購入など一時支出の平均額が74万円との結果も出ています。 介護を受ける年数によって金額は変わりますが、数百万円を用意しておけば満足いく介護サービスを受けられるでしょう。 次章では老後の生活苦を防ぐために、現役のうちから取り入れておきたいことについて解説します。
老後に向けた資産形成の方法
おひとりさま世帯でも、老後生活での支出は決して少なくありません。 老後の生活苦を防ぐためには、現役のうちから資産づくりをしておくことが重要です。 老後の資産形成でぜひ取り入れたいのが「投資」です。 2024年から始まった新しいNISAは、初心者でも活用しやすい制度です。 NISAは運用益が非課税で受け取れるのがメリットです。 また、少額から投資ができるため、初めての人でも投資を実践しやすくなっています。 NISA口座は一度開設すれば、永久に保有できます。 生きている限りずっと運用し続けられるため、老後も資産を増やし続けられます。 投資は、収入の余剰資金で行いましょう。 貯蓄をしつつ投資もできれば複数の資産を形成できるため、老後の不安を解消できます。