新型ロールス・ロイス ゴースト シリーズⅡの“変化”はすごかった 超高級車の知られざる新しい世界観に迫る
一部改良を受けたロールス・ロイスの「ゴースト シリーズⅡ」に、南フランスで『GQ JAPAN』のライフスタイルエディター、イナガキが乗った! まずは標準モデルのリポートから。 【写真を見る】新型ゴースト シリーズⅡの豪華なインテリアなど(13枚)
内外装の美しき変貌
ロールス・ロイスのゴーストが、シリーズⅡにアップデートした。内外装のリファインが中心だが、ハンドルを握ると、パワートレインなどにも手が加わったのではないか? と、思うほど洗練されていた。 試乗会場となったワイナリー「シャトー・ラ・コスト」には、色とりどりの新型ゴースト シリーズⅡが並んでいた。ここは、南仏のエクス・アン・プロヴァンスとリュベロン国立公園のちょうど中間に位置しており、200ヘクタールの広大な敷地内には、130ヘクタールのブドウ畑や安藤忠雄設計のギャラリーやレストラン、ホテルを併設。そして、著名な芸術家が手掛けたアート作品が点在する。 新型ゴースト シリーズⅡの周囲には、フランス出身の彫刻家であるルイーズ・ブルジョワが手掛けた巨大なオブジェも並ぶが、それらにひけをとらない斬新なカラーリングが目立つ。訊くと、近年、全世界のロールス・ロイスオーナーの平均年齢は43歳だという。かつてのショーファードリブンとしての需要以上に、個人利用が目立っているそうだ。それゆえ、オーナーが好みのカラーリングをビスポークで仕立てるため、従来では考えらないような鮮やかなボディカラーをまとったゴーストが増えている。 同じ組となったモータージャーナリストの小川フミオとともに選んだのは「セマフォ・イエロー」のモデル。イエローといっても発色が抑えられているので、派手さは抑えられている。 エクステリアは、ロールス・ロイスの伝統であるロングノーズ&ショートデッキは継承しつつ、前後デザインをブラッシュアップした。フロントまわりは、灯火類のデザインを変更。特に逆L字型のデイタイムランニングライトが昼夜問わず目をひく。これは「カリナン」のシリーズⅡにも採用されたアイコンで、新世代のロールス・ロイスを象徴する1アイテムだ。 荘厳なフロントグリルである「パンテオン・グリル」は、夜間、ほのかにLEDで照らされるイルミネーテッド機能が付くのも特徴だ。ただ、グリルを照らすのではなくクロームメッキが美しく照らされるよう、LEDを緻密に配しているのはさすがといったところ。 足まわりには、新デザインの22インチの9スポークホイールを履く。とりわけ、フルポリッシュ仕上げの、輝きに目を奪われる。フルポリッシュはとにかく手間を要することを最近知ったこともあり、これほどの輝きを作り上げるのに、はたしてどれほどの労力を要しているのか……と、考えるだけで、ロールス・ロイスのラグジュアリーに対する熱き思いを感じとった。 リヤまわりでは、BEV(バッテリー式電気自動車)である「スペクター」からインスピレーションを得たという新デザインのテールランプを装備。前後灯火類のアップデートによって、よりシャープに、そしてエレガントになった。