「木は湿気を吸うから」リビングのような檜の空間に佇む2台のスカイラインGT-R|檜を使用した旧車に優しいガレージ
【檜を使用した旧車に優しいガレージ】 シャッターが開いた瞬間、ここはガレージでなくリビングではないか、という錯覚にとらわれてしまった。 【画像33枚】リビングと見紛う木材ばりの空間は、旧車にも優しいガレージだった。ガレージのシャッターを上げると2台のGT-Rが目に飛び込んでくる。そして木材が放つ飴色の空間。防湿のためだが、木材が持つ有機的な雰囲気が居合わせた人間を和ませる ガレージ内装は、5面に檜の板を使った仕上げで、クルマを保管する場所というより、人間が居住する空間という印象が強い。 なぜ木材なのか、その理由を尋ねると「木は湿気を吸うから」と即答してくれた。自動車やバイクを保管する上で、やはり大敵は湿度だという。乾燥し過ぎも問題だが、湿度が高いとサビの原因となり、機械物にとっては最悪のコンディションとなる。 湿度コントロールに木材を使用するという発想は、正倉院宝庫のあぜくら作りに代表されるよう、我々日本人にとっては、日常生活の中で培われたある種の常識的思考なのかもしれない。 1996年に作られたガレージだが、当初色合いはもっと白かったという。それが歳月を重ねて飴色に変わり、それがなんとも言えない雰囲気をかもし出している。それほどいい雰囲気で、木材は、人間と機械をうまく調和させる有機的な働きを持つことが、無言のうちに教えてくれるようだった。 初出:ノスタルジックヒーロー 2019年 6月号 Vol.193 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部