「野崎氏は覚醒剤に否定的」 ドン・ファン殺害 12年前離婚の女性が証言
「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家・野崎幸助さん(当時77歳)を殺害したとして、殺人罪などに問われている元妻の須藤早貴被告(28)の第14回公判が17日、和歌山地裁であった。2002年に野崎さんと結婚し、12年8月に離婚したという女性が証人として出廷。野崎さんは覚醒剤やドラッグに対して「否定的な方だった」と証言した。 【別れるしかないと言っていた ドン・ファン殺害 元従業員の男性が証言の記事はこちら】 女性は、ある芸能人が覚醒剤事件で逮捕されたというテレビニュースを一緒に見た時があったとして「野崎さんは『人間終わりや』『人として最低』とよく言っていた」と話した。 検察官からの「野崎さんは勃起薬や精力増強剤は飲んでいたか」という質問には「命のリスクに関わるので飲まなかった」と述べた。結婚前に野崎さんは脳梗塞を患っていたという。 一方、弁護人からの質問に対して、女性は「野崎さんの『離婚したい』(という言葉)は『おはよう』とか『おやすみ』くらいの感覚だった」と話した。 「最初のころは真に受けて出て行ったこともあったが、その後に『帰ってきてくれ』と言われた。離婚届を持ってきて『署名しろ』と言われたこともあったが、私が『いいですよ』と言うと、野崎さんが『考え直してください』と言うこともあった。話すことがコロコロ変わるので、私は(野崎さんのことを)『コロちゃん』と呼んでいた」という説明もした。 起訴状によると、須藤被告は18年5月24日、殺意を持って、野崎さんに致死量の覚醒剤を摂取させ、急性覚醒剤中毒で殺害したとされる。須藤被告は起訴内容を否認し、弁護側は無罪を主張している。
紀伊民報