「亡き母の好きな曲も…」ストリートピアノで活躍のハラミちゃん「リクエストの即興は1000本ノック」
でも、そこにピアノが1台置かれているだけで物語が生まれたり、会話が始まるというすごく不思議な空間になるんです。 ── ストリートピアノでの印象的な出会いは? ハラミちゃん:たくさんありますが…広島空港で『紅蓮華』のリクエストをしてくれたお子さんがいたんです。その後、たまたま広島のライブのリクエストコーナーで同じお子さんが当たって、また『紅蓮華』をリクエストしてくれました。 ほかには、亡くなったお母さんの好きな曲をリクエストしてくださり、聴きながら泣いていた女性もいらっしゃいました。普段なら顔も覚えていないはずですが、ストリートピアノで会った方は何百人も思い出せます。
── テレビにたくさん出て、人気者になってからもストリートピアノに通われていますね。 ハラミちゃん:自分が楽しいから続けているだけです。ピアニストは舞台の上の存在ではなく、本当にフラッと会えて身近に一緒にピアノを楽しむものだよと伝えたいんです。メディアでは“野生のピアニスト”と形容してくださることもあります。 あとは、単にコミュニケーションを楽しみたいから、ストリートピアノに行ってます。 ── 逆に、ストリートピアノで困ったことや難しかったことはありませんか?
ハラミちゃん:よく「大変だったことやつらいことはありますか?」と質問されるのですが、あまり思い出せません。 強いて言うなら、「ドの音が出ない」とかかな?シンプルに環境に左右されることはありました。でも、こういうのも一期一会で面白くていいなと思います。 ── コミュニケーションこそがストリートピアノの醍醐味とおっしゃいますが、ハラミちゃんはふだんから知らない人にも話しかけるタイプですか? ハラミちゃん:いろんな人としゃべるタイプですが、自分からいけるかというとちょっと怪しい(笑)。ピアノを介しているからしゃべれるのかな。ピアノがないと、ちょっと不安になっちゃうときもあります。