「野宿しながら、大阪から島根まで徒歩で行ったり…」『ラーメン赤猫』作者・アンギャマンが過激化するライフワーク“行脚”を通して得た等身大の幸福とは?
『ラーメン赤猫』アニメ化インタビュー(前編)
猫が働くラーメン屋を舞台とする、ハートフルな“キャットコメディ”『ラーメン赤猫』。漫画家・アンギャマンが手がける本作は、「少年ジャンプ+」のインディーズ連載から通常連載へと移行し、テレビアニメ化まで決定した異色の作品だ。「シンデレラストーリー」とも表現される本作がたどった道のりについて、アンギャマン氏は漫画家としてどう伴走してきたのか。本人に直接聞いてみた。 【漫画を読む】『ラーメン赤猫』第1話
「なんとなく、自分は漫画家になれると思っていた」
–––まず『ラーメン赤猫』のアニメ化決定、おめでとうございます。 アンギャマン(以下同) ありがとうございます。 –––アニメ化が決まったときの率直な感想を教えてください。 うれしいと思うより前に、びっくりしました。自分の漫画がアニメになるとは想像もしていなかったので。今は少しずつ監修の仕事が回ってきたりして、徐々に実感が湧いてきています。シンプルにやったー!という感じですね。 https://youtu.be/UIwFSgyR4mA 2024年7月からTBS系28局で放映されるテレビアニメ『ラーメン赤猫』 –––先生が漫画家になるまでのヒストリーを教えてください。いつごろから漫画を描き始めたのでしょうか。 漫画は、本当に自然に描き始めたんです。そもそも、小さいときから絵を描くことは自分にとって当たり前のことで。一番古い記憶だと、実家にあった大きなテーブルの裏にクレヨンで落書きしていたり…。 –––そのころから漫画を読むのも好きでしたか? そうですね。歳の離れた兄が2人いるので、その影響で家に娯楽がたくさんあったんです。漫画とかゲームとか。で、それでひととおり遊んで飽きてくると、自分で空想するようになって。 –––それで漫画を描き始めた、と? いえ、当時描いていたのは漫画と言えるようなものではありませんでした。画用紙に小さな絵を描いていって、それがうっすら物語としてつながっているような。小中学生のころまではそんな感じでした。 はじめてちゃんと漫画を描いたのは、高校生のころですね。ちょうど進路とか、やりたいことに悩む時期じゃないですか。それで、なんとなく漫画を描き始めたんです。 –––それはプロの漫画家を目指して? なんとなくですが、自分は漫画家になれると思っていたんですよね(笑)。だから自然と描いていました。作品の投稿とかもしていて、たしか2本目の作品が『月刊ジャンプ』の月例賞の最終候補まで残ったはずです。でも「某作品のパクリだ」みたいな寸評があってショックでしたね。クソー!と(笑)。
【関連記事】
- 【後編】《漫画あり》「漫画がおもしろければ、誰かが必ず見つけてくれる」“ジャンプルーキー!”からアニメ化まで上りつめた『ラーメン赤猫』。漫画家・アンギャマンがこだわる「気持ちのいい読後感」
- 【漫画】「これから奥さん探すにしても髪の毛はないよりあったほうがええんちゃう?」久々の帰省で母親に結婚と薄毛の心配をされるアラフォーの悲哀
- 『ダイヤモンドの功罪』担当編集が語る魅力「天才の苦悩と孤独、というテーマをほかにはない切り口で描いているところです。しかも…」
- 【漫画あり】「いきなり出くわしたらヒトとは比べものにならない力で殺される」狩りバカが過ぎた一人のクマ撃ち女性の奮闘
- 【漫画】「人生の節目に食べたからあげクン」41億食突破の国民食にまつわる思い出