ギャラリー兼カフェに 氷見・旧こしだスーパー跡地 個展やスイーツ提供
●中心部を活性化 氷見市中心部で長年愛され、2年前に閉店した地域スーパー「こしだスーパー」の跡地が、ギャラリーやカフェとして生まれ変わった。空洞化が進む駅前や商店街に活力を取り戻そうと、若者らが力を合わせ、苦節を乗り越えてオープンにこぎ着けた。住民の愛着とまちの歴史が染みついた建物を生かした新たなスポットとして、地域のにぎわいに一役買う。 跡地に4日オープンしたのは「Gallery(ギャラリー)こしだスーパー」。鉄骨造り一部3階建て建物の1階部分約740平方メートルをギャラリー兼カフェに改装した。 カフェでは氷見産の生ブルーベリーを使ったケーキなどのスイーツや、クラフトコーラ、季節の酵素シロップなどのドリンク、アルコール類を提供する。 ギャラリーは、金沢市鱗町のギャラリー&バー「素子」の協力を得て不定期で個展を開催する。マルチスペースなどの活用も行う。 外観の「こしだスーパー」の看板や、内装のフードコーナーの表示はそのまま残した。空間デザインなどを手掛ける「COMPASS」(氷見市)のソファやテーブルを配置し、うきなど氷見らしいインテリアも置いた。 旧こしだスーパーは1939(昭和14)年に創業し、生鮮食品や衣類も扱う総合スーパーとして地域に愛されたが、2022年4月に83年の歴史に幕を閉じた。その後、店舗企画、設計や住宅のリノベーションに携わる「EERIE」(氷見市)の小林弘二代表(35)が建物を借り受けた。22年10月には2階にCOMPASSの家具ショールームが設けられた。 ところが昨年10月に建物で漏電によるぼやがあり、1カ月後のカフェの開業を延期せざるをえなくなった。一時、小林代表や氷見高時代の同級生、仲間らは心が折れそうになったが再起し、すすを払って準備を進めた。小林代表は「いろんな人が集まって交流し、まちのにぎわいにつなげたい」と話した。