【独自】「十数年の懲役なんてごくわずかで、痛くもかゆくも…」“全部なめまわせ“ ”髪の毛食えや” 22歳男が拘置所で記者に語った懲役12年判決への心境「BIGになる!」と豪語
判決を受け入れるのか否か…心境を確かめに被告に面会へ
公判をすべて傍聴した私は、山中元稀被告が勾留されている堺拘置支所を訪れた。 浮気への激昂という動機と、行為の激烈さ・異常さの間にある、あまりに大きな“ギャップ”。その謎は、公判でも解き明かされたようには感じられなかった。被告本人に会えば、謎の一端が少しでもつかめるかもしれないという、淡い期待があった。 また「取り返しのつかないことをした」「一定期間の服役は覚悟している」と被告は述べていたが、実際に判決を言い渡されてどんな心境なのか、控訴せずに懲役12年を受け入れるのか、直接確かめたいという思いもあった。 11月16日、1回目の面会。 面会室に入ってきた被告は、視線を私の顔にしっかりと向けた。
「怒りの理由は分かるでしょ?交際を求めたわけではないのに、これが…」小指を立てた被告
入廷して手錠を外される際、傍聴席をじっと見つめていた被告の姿が脳裏によみがえる。 「傍聴席にいた方ですよね?」 それが被告の第一声だった。 「どういう目的で来たんですか?」 面会に来た理由を私が説明するも、“いま自分は世間をお騒がせしている身” ”こちらにメリットがないと…”という旨の返答が続き、なかなかやり取りが嚙みあわない。 筆者「遺族の陳述を真剣に聞いていたように思ったんですが、その時はどのような思いだった?」 被告「………(長い沈黙)それについても答えられないですね」 筆者「あなたの怒りの理由(被害女性側の浮気)は分かったが、その結果あなたがしたこととの間に“大きなギャップ”があると、私や世間は感じているが?」 被告「でもね、怒りの理由は分かるでしょ?こっちから交際を求めたわけではないのに、これ(被告は小指を立てた)が、夫がいるのに隠して寄ってきて。……でも、結果が重大。死んじゃったからね」 机に腕をのせた姿勢で、この時だけは“饒舌”に語った山中被告。被害女性と出会った自分こそが不運という思いが、やはり拭えないのだろう…。 名前を口にもせず、「これ」という2文字と、小指をピッと立てる仕草で片づけた被告を目の前にして、無力感とも嫌悪感ともいえない複雑な感情が沸いた。 面会時間はあっという間に終わった。