全柔連、斉藤立をペルーの国際大会に派遣 パリ五輪直前に異例の措置
全日本柔道連盟(全柔連)は11日、パンアメリカンオープン・リマ大会(ペルー、21~22日)に男子100キロ超級でパリ五輪代表の斉藤立(JESグループ)を派遣すると発表した。 同大会は格付けは低いが、パリ五輪のシード権に関わる最後のポイント獲得対象大会。関係者によると、当初は優勝した4月のグランドスラム・カザフスタン大会を五輪前最後の実戦とする予定だった。しかし、現在のシード順や海外選手の動向を踏まえ、金メダル獲得の確率を高めるための戦略的判断として強化委員会で検討され、緊急派遣に至ったという。 シード順を巡っては、五輪2度制覇のテディ・リネール(フランス)が8日のヨーロッパオープン・マドリード大会(スペイン)で優勝。斉藤を僅差で逆転して6位に上がり、斉藤は7位に順位を下げていた。 一方のリネール側も同大会にエントリーしている。実際に出場するかは不明だが、シード順を巡って、激しい駆け引きが繰り広げられている模様だ。男子100キロ超級は斉藤とリネール、世界ランキングを持たない2人のペルー選手の計4人がエントリー。五輪が約1か月後に迫った時期の国際大会派遣は極めて異例で、思わぬ形で斉藤とリネールの“前哨戦”が実現する可能性もありそうだ。
報知新聞社