韓国・尹大統領、2度目の出頭要請にも応じず 逮捕令状請求も検討
韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領による「非常戒厳」の宣布を巡り、高官犯罪捜査庁(高捜庁)は25日午前10時の出頭を要請していたが、尹氏は姿を見せなかった。高捜庁による要請は2度目だが、再び無視された形だ。 【図解】大統領に対する検察捜査 想定される流れ 高捜庁や警察などで構成する合同捜査本部は、戒厳令の宣布について内乱などの容疑で捜査している。現職大統領には不訴追特権があるが、内乱罪は例外。 高捜庁関係者は25日、ソウル近郊の果川市にある庁舎で毎日新聞などに対し、出頭要請に3回程度応じない場合は裁判所に逮捕状を請求するのが一般的だと説明した。その上で「考慮すべき事項が多く、通常のようにならない可能性がある」と言及。現職大統領が逮捕されれば史上初となるだけに、高捜庁は対応を慎重に検討するとみられる。 尹氏は弾劾訴追案が14日に国会で可決されて職務停止となったが、警護などの大統領特権は保持し、ソウルの大統領官邸で生活している。尹氏は検察による出頭要請も1度、拒否した。その後、尹氏への捜査は高捜庁などの合同捜査本部に一本化された。 尹氏側は出頭に応じない理由について、弾劾案可決を受けた憲法裁判所での審理が捜査よりも優先されるべきだと説明している。憲法裁は27日に第1回の弁論準備手続きを予定している。【果川・福岡静哉】