輪島市など震度5弱、住民不安「電柱倒れるのでは」…元日とは別の断層の可能性
石川県輪島市などで震度5弱を観測した、同県西方沖が震源の地震で、元日の能登半島地震で電柱が傾くなどした同県内灘町では27日、住民から「電柱が倒れるのでは」など不安の声が相次いだ。傾いた電柱が並ぶ道沿いを毎日通るという同町の男性(72)は「びっくりした。1本が昨日より傾いている気がする」と心配そうに話していた。
北陸電力は27日に現地を確認し、不安を取り除くため、電柱の補強工事を実施。来月20日頃から本格的な復旧工事を始めるとしている。
能登半島地震で地盤が隆起し、液状化の被害を受けた工場では、再び泥水が染み出しているのを確認し、経営する女性は「床からポコポコという音がしてまた泥が出てきた。元日に戻ったみたい」と声を落とした。
県は27日、今回の地震で、津幡町の70歳代女性が転倒し顔を打つ軽いけがをしたと発表した。
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26日深夜に起きた石川県西方沖を震源とする最大震度5弱の地震で、専門家は元日の能登半島地震とは別の断層が動いた可能性があると指摘している。
気象庁によると、今回の地震はマグニチュード(M)6・6で、元日の地震の震源域西端付近で発生した。東京大学の篠原雅尚教授(海底地震学)は「近くにある別の断層の一部が壊れた可能性が高い。元日の地震で力のかかり具合が変わった影響で誘発されたのではないか」と分析した。
また、金沢大の平松良浩教授(地震学)は「周辺には、他にも動きやすくなっている断層があるとみられる。今後、M7程度の地震が起きる可能性もあり、揺れや津波に引き続き注意が必要だ」と呼びかけた。