仏流のさばき方など学ぶ 三重・多気 相可高食物調理クラブ
仏最優秀職人賞の受賞者でシーフード専門 シェフのソニアさんと料理交流
三重県多気郡多気町相可の県立相可高校食物調理クラブ(加藤陽部長)は8日午後1時から同校で、フランスの最優秀職人賞(MOF)を受賞したシーフード専門シェフのソニア・ビシェさん(28)と料理交流会を行った。 MOFはフランス文化の最も優れた継承者にふさわしい高度な技術を持つ職人に授与される国家最優秀職人の称号。 ソニアさんは2015(平成27)年にフランス最優秀職人見習いを取得し、スイス、モナコの専門機関で修業した後、フランスの都市ラ・ロシェルで星付きシェフの下で魚介類の調理と大皿料理のデザインを学んだ。20(令和2)年にニースで開かれた貝料理のワールドカップで優勝。シラ国際外食見本市2021でも世界最高峰の料理コンクールのゴールデンフィッシュ部門でも優勝。23年にMOFを受賞した。 また、「世界の魚の旅」プロジェクトとして、昨年9月から魚介類とその料理法を学ぶために多くの国を訪れている。先月25日に来日し、同29日から三重県を訪れていた。 8日に同校調理クラブを訪れたソニアさんは、1~3年生35人を前に「衛生、食材へのリスペクト、食材ロスをゼロに」と大事な点を説明。「食材をさばく時、間違えたら隠さないで。再利用しましょう。完璧になるためにいっぱい失敗を繰り返して」などと話し、実際にタイとヒラメを使ってフランス流のさばき方などを披露した。魚の骨の構造なども説明し、切り方を実演していった。 その後、さばいた魚を使ってソニアさん風刺し身料理を作った。生徒たちは一緒に魚を切ったりソースを作ったりして盛り付けた。 加藤部長(17)は「フランスシェフの魚のさばき方をはじめ、多くを教えてもらった。いい経験になった。日本料理もロスをどれだけ出さないかを大切にしている。世界のどこも同じだと感じた。いち日本人として守っていきたい」、村田純麗副部長(17)は「細かいところまで教えていただいた。日本料理とは少し違うところもあった。シェフは『周りをよく見たら新しい発見がある』と言っていた。もっと周りを見ていきたい。いつもとは違う視点から学ぶことができた」とそれぞれ話した。 ソニアさんは生徒たちが盛り付けた料理を見て「全部気に入っている。キッチンの中の自由度、何でも生み出せることを学んでほしかった」と話し、「学生の時はシェフの言うことをきちんと聞くこと、準備をして努力すること、大きな夢を見ること。頑張ってください」とエールを送った。