おにぎり(11月13日)
新米がこれほどうれしい秋はない。令和の米騒動を鎮めた救世主がスーパーマーケットの棚に並ぶ。値段はお高めでも、生産者が手塩にかけた一膳に感謝が満ちる▼救世主と言えば、コメつながりのおにぎりが貧困にあえぐ海外の子どもを救っている。撮影した写真をインスタグラムなどのSNSに投稿すると、アフリカやアジアの子どもに給食が届く。世界の食料問題の解決を目指す日本のNPOが「おにぎりアクション」と銘打ち、展開している。写真1枚ごとに協賛企業から100円が寄付され、1枚が5食分になるという。何度でも投稿できる。「コンビニおにぎり」を写してもかまわないから手軽だ▼取り組みは10年目を迎えた。昨年までに185万枚が投稿され、1017万食分が贈られた。今年は今月16日まで続くが、すでに23万枚を超えている。最新の投稿状況も確認できる。おにぎりは世界に広がり、米国や西欧からも届く。県内からはシソや豆のおにぎり、新米の塩むすびが寄せられている▼発展途上国の子どもたちと食事を分かち合ってほしいとの思いが、活動に込められている。「ばえる」画像が世界を笑顔で結び、温かな滋味で互いの心は満たされる。<2024・11・13>