1度は聞いたことのある「地面反力」正しい意味は◯◯だった…!【柳橋章徳プロコーチに学ぶゴルフ用語あれこれ】
地面反力を意図して使って、ある力を倍増させるということです。たとえば、直立した状態から予備動作なしでジャンプすることはできません。ひざを曲げ、地面を強く踏みつけることで、はじめて“ピョン!”と高く跳び上がれます。地面反力を使うとは、こういった要素を強調させてスウィングスピードを上げることを指します」 プロの中には、跳び上がりながらインパクトする、いわゆる“ジャンピング・インパクト”と呼ばれるスタイルのプレーヤーがいるが、あれは地面反力を利用したパターンのひとつということなのだ。 「ただ、ほとんどのプロは、地面反力については1ミリも考えていません。スウィングを磨いた結果、たどり着いたのがそのスタイルだっただけで、いわば自然発生的に行われていることです。プロはみんな飛距離が出ますが、みんながみんなジャンピング・インパクトしているわけではありませんよね。つまり、各々が自分のスウィングに合った地面反力の使い方をしているのです」
「地面反力の使い方には“縦方向”、“横方向”、“回転”の3つがあって、通常は多かれ少なかれ、誰もが3つ全てを使っています。先ほど話したジャンプしながら打つスタイルは、縦方向の地面反力が強調されたもので、この出力を“バーティカルフォース”と呼びます。横方向は水平方向への地面反力が強調されたスタイルで、この出力は“ホリゾンタルフォース”と呼びます。回転は“トルク”です。正しく地面反力を使えると、どの方向に出力してもスウィング時の回転に反映され、回転スピードを上げることができます」 縦方向がジャンプなら、横方向はスケートをする時のような感じ。足を横に蹴りながら力を出し、回転エネルギーに転化させるといったところだ。この3タイプはスウィング軸に置き換えるとわかりやすいという。
「スウィングする際の軸を、左足、右足、センターの3つに分けると、主に左足を使っている人、右足を使っている人、両方を均等に使っている人に分かれます。これは、左右いずれか一本足と、両足を揃えた状態でボールを打ってみるとわかります。 大まかではありますが、左足一本立ちが打ちやすければバーティカルフォースを強く、右足一本立ちならトルクを、両足ならバランスよく使うタイプと言えます。右足軸で打つと右の骨盤が前に出て左の骨盤がどくので、結果的にトルク要素が強くなる傾向があります。 ほかにも、ニーアクションが大きかったり、ダウンスウィングでバンプ気味に左腰が突き出る人はホリゾンタルフォースがメイン、その場でクルッと回転しているように見えればトルクといった見分け方もできます」 ちなみに、地面反力を120%活用しているのがドラコンプレーヤー。ワイドスタンスで構え、大きく足踏みするようにして地面を強く蹴りながらダイナミックにスウィングする。筋骨隆々のボディもさることながら、右足も左足も蹴って地面反力をフル活用しているため、あのようなド派手なスウィングと飛距離になるということだ。