声優・三石琴乃「月にかわっておしおきよ!」 セーラームーンの変身シーン誕生秘話
■貴重 テレビアニメ第1話の台本を保管
ーー第1話の台本を大事に保管されているそうですね 手の汗とかで汚れているんですけど、第1話のセーラームーンの台本です。「泣き虫うさぎの華麗なる変身」うっかり変身しちゃうっていう、変身して「なにこれ~!」って驚くっていう。オーディションの時に、セリフと一緒にキャラ表って言うんですけど、これが一緒にあって。イメージを膨らませて「この子だったらこんなふうにしゃべるかな」とか、こんな日常なのかなというのを思い描いてしゃべりました。「絶対やりたい!」と思って、オーディションの時は毎回そうなんですけど。「うわぁカワイイ本当にやりたい!」って思いましたね。 (ここまで続くとは)本当夢にも思わなかったですね。
ーー月野うさぎと出会って変わったことは? 自分は割と幼少から学生時代にかけて、引っ込み思案で思っていること言えないタイプだったんです。友達といても「うんうんそうだね」「へぇ」って話を聞く側の立ち位置だったんですけど。月野うさぎと出会ってからは、ゴリゴリ楽しい事に向かって進んでいったりとか。 なかなか言えなかった内弁慶な自分の気持ちを、うさぎちゃんのセリフとしてストレートに出せたようなところがあります。自分と似ているかどうかはわかんないですね(笑)テンション高くしゃべっていると自分の声のキーも上がるので「今の笑い方うさぎちゃんみたい」って言われることはよくあります。
ーー変身シーンを初めて見た時はいかがでしたか? トキメキましたね! 変身するっていう女の子の変身願望・子どもたちの変身願望って大きいし、憧れだし、実際の生活の中ではあまり目立ったことができなかったりする子も夢を見られるというか、一緒になって変身して、ちょっと強くなった気持ちになれるっていう、まさにそういうシーンだったので。リボンで体をくるくるっと巻いて、シャキーンとコスチュームに変わっていく。あの演出は素晴らしいと思いました。あの変身シーンを作ってくれた佐藤順一監督は「どうしたら変身シーンを子どもたちが喜んでくれるかな」って考えたそうなんです。 男の子だったらロボットの変形でガシャンガシャン、シャキーンシャキーン、パッカンって 合体してできるじゃないですか! 最後に顔が出てきて目がキラーンと光って。あそこから持ってきて、女の子の場合もリボンで手が変身していく。最後にここ(額)にマークが出るっていうそういう決め方で作ったんですって。見せる演出になっているんだと思います。実はオーディションの時に佐藤順一監督が「月にかわっておしおきよ!」っていうセリフについて、「これはセーラームーンがこういうふうにポーズします」って佐藤さんがみんなの前でポーズをやってくれて、それで私は最初目にしました。 「愛と正義のセーラー服美少女戦士セーラームーン」っていう、見得(みえ)を切るところはおそらく日本の時代劇がもとになっていて。みんな見得切るじゃないですか時代劇の主人公。こっちからカメラ、こっちからカメラ、正面で少しアクションがあってからの、決め! みたいな絶対時代劇だと思ってそこを参考にしてしゃべったりしていますね。間とかカット割りは、東映の時代劇からきているのかな…なんて勝手に思ってやっていました。