家事のやり方で夫婦仲がギクシャク“意外な”原因 こだわりを手放すのは難しいが…人間関係を円満にするヒント
子どものころから困りごとが多く、大人になってからも仕事や人づきあいの場面で「生きづらさ」を感じることがあるなら、「発達障害」の影響があるかもしれません。 「発達障害は生まれつきの“クセ”のようなもの」というのは医師の司馬理英子さん。司馬さんは「発達障害の人は能力が低いわけでも、性格や人間性に問題があるわけでもない。クセを理解して上手につきあっていけば、困りごとを減らせるはず」と話します。 発達障害の特性の現れ方や程度は人それぞれですが、本記事では司馬さんの著書『もしかして発達障害? 「うまくいかない」がラクになる』から一部を抜粋し、人との関わり方に特徴があるASD(自閉スペクトラム症)について2つの事例を紹介します。 【マンガ】「こんな干し方じゃダメ」「トイレも磨き残しあったよ」……、口うるさい妻に疲れ、関係がギクシャクした夫婦の事例
発達障害の概要については前々記事、ADHD(注意欠如多動症)の事例については前記事をご覧ください。 (編集注)記事中に掲載しているマンガの欄外にある★印は、行動や周囲の反応の様子から発達障害の可能性を探る目安を筆者が示したものです。 誰にでもあるレベル=★、ちょっと目立つかな=★★、これは発達障害の傾向があるかな=★★★、気をつけないと困ったことが続きそう=★★★★、けっこう大変な状況=★★★★★ ■人との距離感をつかむのが苦手
お店で不自然になれなれしい店員が商品をすすめてきて、居心地の悪さを感じたことはありませんか? 売るためのテクニックでそうしている可能性もありますが、もしかしたらASDの傾向がある人なのかもしれません。ASDの人は自分の立場や状況にふさわしい言葉選びができず、相手を怒らせてしまうことがあるのです。 人と人とのコミュニケーションの中で多くの人は、その場であえて言わなくてもいいことを言わずにいたり、親しさの度合いで敬語の使い方をコントロールしたりといった配慮をしています。
しかし、ASDの人はそれが苦手。思ったことをそのまま口にしてしまいます。それがズバッと核心を突くことだったりすると、なおさらひんしゅくをかいやすいのです。さらに、敬語を使うのも苦手な傾向にあるので、本人にはそんなつもりはないのに偉そうだと思われてしまいます。 相手や場所に合わせてふさわしい話題を選び、ふさわしい言葉遣いをするのは、ASDの人にはハードルが高いことなのです。 相手が家族や親戚などで緊張感が薄れていると、より遠慮のない発言をしがちです。近しい人であるほど、怒らせてこじれるとダメージは大きく、関係を修復するのが簡単でなくなってしまうこともあります。