樋口恵子「ローバは一日にしてならず」「老いるショック」…「老い」はユーモアで笑いとばせ!樋口式<人生を楽しむメソッド>ご紹介
◆老いるショック 最初に異変を感じたのは70代半ば。 駅の和式トイレで用をすませ、気分スッキリ。いざ立ち上がろうとしたら、どうしても立ち上がれないのです! もう、冷や汗たらたら。 そのときの焦りまくった気持ちはいまもはっきり覚えています。 でもトイレでの「老いるショック」後しばらくは、特に変化はありませんでした。 「よかったよかった、私はまだまだ若い! あの出来事はなかったことにしよう」なんて思っているうちに、今度は77歳で大手術。 それまでなだらかだったローバへの道が、少々急勾配に。でもそこからがんばってリハビリをしたおかげで、また道はなだらかになりました。
◆真正ローバ時代 振り返ってみると、そんなふうにちょっとしたアップダウンを繰り返しながら、少しずつ本物のローバになっていくのですね。 そして91歳のいま、もはや“真正ローバ時代”に突入です。 人生100年時代と言われていますから、もし100まで生きるとすると、ローバになってからも長い! 幼少のころから、人の心を動かす言葉の力を信じてきた私は、ユーモアの力も信じています。 「好奇心は老いを豊かにする資産」ですが、「ユーモアも老いの資産」だと思います。 どちらもカタい頭をやわらかくしないと発揮できないものですから。 皆さん、ユーモアを持って“老い”を面白がり、人生を思いっきり楽しまなければ損ですゾ。 ※本稿は、『老いの上機嫌-90代! 笑う門には福来る』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。
樋口恵子
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