すべての優れたリーダーに共通する「ある要素」とは?|研究結果
最高のリーダーシップ・スタイルとは、どういうものでしょうか? すべてのリーダーには、明らかに、その人独自の才能とアプローチがあります。スティーブ・ジョブズ氏とビル・ゲイツ氏が、まるで異なる性格でありながら、2人とも信じられないほどの偉業を達成したことはよく知られるところです。 ですが専門家によれば、CEOや起業家、親、教師に至るまで、すべての優れたリーダーに共通する要素が、少なくとも1つあるそうです。 ただ残念なことにそれは、今日の多くのビジネスリーダーが苦労していことでもあります。
成功するリーダーは「自主性」を重視
Amazonの事例を見てみましょう。この巨大ハイテク企業は、すべての従業員に対して、2025年から週5日のオフィス出勤体制に戻るよう命じました。 それはどのような結果をもたらすのでしょうか? その答えを知るには、従業員の(良くない)反応を見てみるとよいでしょう。または、この新方針に関する(賛否両論の)論評を読むこともできます。あるいは、人々を統率するもっとも効果的な方法に関する科学文献を覗いてみることもできます。 先ごろ学術誌『Psychological Bulletin』に掲載されたレビュー論文では、さまざまなリーダーシップスタイルに関する139件の既存研究が調査され、シンプルな結論に達しています。 「人々が成長する枠組み」を提供したいのであれば、部下が自らの内発的動機を見つけられるように支援し、目標に向かって具体的にどのように取り組むかを決定する自由を与える必要があります。 自主性こそが、すべての優れたリーダーシップの秘訣なのです。 調査を率いたシドニー大学ビジネススクールのJames Donald氏は、「自分の行動の『なぜ』に一貫性を持たせ、仕事の進め方に選択肢を与え、有意義なフィードバックを与えることで、アイデアを共有しやすくなり、仲間意識が高まることがわかりました」と説明しています。 アメとムチのような支配的な戦略で管理すると、共有したり、協力したり、他者を助けたりしにくくなります。 言い換えると、優れたリーダーは、人々の能力を最大限に引き出すために、Amazonが行なっていることとは正反対のことをしているのです。 Amazonのマイクロマネジメントによるオフィス復帰命令の結果、従業員の協力性や革新性は低下する可能性が高いでしょう。