1年前の「iPhone」販売店前のトラブルを立件 背後に見え隠れする警察当局「トクリュウ」壊滅へのシナリオ
犯罪に利用する〝道具〟からつぶしていく
今月3日には「車に傷をつけられた」などと言いがかりをつけ、相手の免許証などを撮影。不正にクレジットカードを作成したなどとして詐欺、窃盗容疑で男女3人を逮捕した事件があった。これもこうした警察当局の狙いが「表れている」と、前出の記者が続ける。 「それほど大きなニュースにはなりませんでしたが、警察はこの事件を重要視しています。 事件では撮影した免許証をもとにオンラインでクレジットカードを作成。不正利用を繰り返していました。事件の背景には写真一枚でカードを作成できる審査の緩さが関係しています。 今後、警察はトクリュウが犯罪に利用する不正口座やカードなどの本人確認の緩さを規制する法改正も視野に入れ、離合集散を繰り返すトクリュウの組織からではなく、犯罪に利用する〝道具〟からつぶす方向に進めていくようです」
金融庁との連携強化など包囲網固める
警察庁は8月23日に連名で金融機関に詐欺対策の要請をするなど、金融庁との連携を強化しているほか、犯罪収益移転防止法の解釈について、13日に本人確認の”厳格化”を発表するなど、着々と“トクリュウ包囲網”を固めている。 今年上半期の特殊詐欺の被害額は約230億円、SNS型投資、ロマンス詐欺などの被害額は約660億円と看過できない状態だ。その多くにトクリュウが関わっている可能性が高いとみられる。 長官の激を受け、トクリュウ対策に本格的な〝のろし〟を上げた今後の警察の動向に注目したい。
弁護士JP編集部