降格圏低迷のバレンシア、ルベン・バラハ監督を解任「このクラブを率いるのはプロとしての夢だった」
バレンシアは23日、ルベン・バラハ監督の解任を発表した。 名門復権の志半ばで、“ピポ”の挑戦は終わりを迎えた。1975年7月11日生まれのバラハ氏は現在49歳。バレンシアの黄金時代を生きたプロキャリアを終えた後、ラージョ・バジェカーノやスポルティング・ヒホンなどで指導者キャリアを積み、昨年2月に37年ぶりとなる降格の危機に瀕していた古巣に指揮官として帰還した。すると、ポテンシャルを見出したMFハビ・ゲラらカンテラーノの大抜擢が的中し、16位で残留。18位との勝ち点差は、わずか『2』だった。そして昨シーズンは、ラ・リーガにおける“最年少チーム”ながら、クラブレジェンドゆえのカリスマ性でチームをまとめ、9位とトップハーフにジャンプアップしていた。 しかし今シーズン、開幕3連敗からの5試合未勝利と絶不振。その後もラス・パルマスとバジャドリードに敗れ、エスパニョールとも引き分けるなど、残留を争うライバルとの直接対決に悉く勝てず。22日に行われた第18節アラベス戦でも、後半アディショナルタイムのFWダニ・ゴメスの同点ゴールで、ドローに持ち込むのがやっとだった。 1試合未消化ながらも第18節終了時点で、2勝6分9敗の19位に沈んでいるバレンシア。ただ、今夏の補強にも不満を爆発させていたように、バラハ氏はクラブオーナーであるピーター・リム氏を始めとする経営陣のバックアップを受けられなかった他、数少ない新戦力として期待を寄せられたFWラファ・ミルの性加害疑惑による警察沙汰など、山積したピッチ外の問題に振り回されたのも確かだった。 そんなバラハ氏は解任に伴い、自身の公式SNSを更新。「まず第一に、バレンシアの監督という大役を託してくれたことに感謝したい。それは、私のプロとしての夢のひとつだった。ありがとう」と愛する古巣を率いた約2年間を振り返りつつ、バレンシアニスタへの感謝を綴っている。 「多くの感情、喜び、そしてフラストレーションを分かち合った濃密な2年間。ここに来た初日から、ここを去る最後の日まで、バレンシアがこの困難な状況を乗り越えられるよう、私は全力を尽くしてきた」 「私が強調したいのは、バレンシアニスタの愛情に対する感謝の気持ちと、ベストを尽くしているこのチームが目標を達成することを心から願っているということだ。バレンシアはこれまでも、そしてこれからも、ずっと心の中にあり続ける。今は悲しい瞬間だけど、この舞台に立てたことは私にとって特権であり、誇りの源だった。これまで以上に心を込め、AMUNT Valencia!」 なお複数メディアによると、後任最有力候補としてカルロス・コルベラン氏(現:ウェスト・ブロムウィッチ指揮官)が浮上している他、キケ・サンチェス・フローレス氏の名前も挙がっているようだ。
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