細野晴臣の曲を、世界でいちばん歌っている自負があった─矢野顕子が思いを語る
コンサートで細野晴臣の曲を歌うことが多かった
矢野にとって細野はどういった存在なのだろうか? 矢野:私にとっては“ベースを弾く人”としての細野さんが一番強い結びつきだと思います。それは実際にプレイをしたのもありますし、素晴らしいプレイを一緒にできた幸せがあるからです。それから、自分がデビューをして、コンサートをやるようになったんですけど、当時は私に作詞作曲の力がすごくあるわけじゃないとわかっていたんですね。だけど、好きな曲を歌いたいという思いが基本でしたから、自然と細野晴臣の曲を歌うことが多くなったんです。デビューからかなり長いあいだ、「私は世界で一番、細野晴臣の曲を歌っている矢野顕子」という風に自負しておりました。 サッシャ:デモテープを録るときにいらしていたベーシストが細野さんだったという出会いだったんですね。矢野さんは中学生の頃からジャズ喫茶に通って、ジャズミュージシャンになるために高校を中退して、10代からレストランやクラブでピアノを弾いていた経歴をお持ちです。 最後に矢野は、リスナーと聴きたい細野晴臣楽曲として『絹街道』をセレクトした。 矢野:『絹街道』は私もずっとライブでやっていた曲です。たぶん孫悟空の歌だと思うんですけど、誰も書けないような世界が書けるんですよね。そして、曲がオシャレなので大好きです!