米利下げ、来年はペース鈍化の見通し…パウエル議長「より慎重な姿勢で検討に臨むことができる」
【ワシントン=田中宏幸】米連邦準備制度理事会(FRB)は18日、金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、政策金利を0・25%引き下げることを決めた。利下げは3会合連続となる。3か月ごとに公表するFOMC参加者の経済見通しでは、2025年の利下げ回数が2回となり、前回9月時点の見通しの4回から利下げのペースが鈍化する想定となった。 【チャート】主要経済指標の直近の動き
利下げは賛成多数で決定した。クリーブランド連銀のハマック総裁は反対票を投じた。政策金利となるフェデラル・ファンド金利の誘導目標は、年4・25~4・50%となる。今年9月の利下げ開始以降、下げ幅は計1・0%となった。
FRBのパウエル議長は会合後の記者会見で、「今回の決定で、政策金利はピーク時から大幅に緩和された。今後、より慎重な姿勢で金利の調整の検討に臨むことができる」と述べた。
米国では、インフレ(物価上昇)率がFRBの目標である2%を上回る水準で推移している。パウエル氏は25年の利下げが緩やかなペースになる可能性を示唆した上で、利下げの実施については「インフレ率がさらに鈍化し、労働市場が堅調に推移し続けることが必要になる」と指摘した。
米国では25年1月にトランプ次期大統領が就任する。新政権が打ち出す見通しの大型減税政策や高関税政策がインフレ圧力を再燃させるリスクを巡り、パウエル氏は「(金融政策への影響について)結論を出すのは時期尚早だ」と述べるにとどめた。
会合後に公表されたFOMC参加者の経済見通しでは、25年末時点の政策金利(中央値)が3・9%となり、前回9月時点の3・4%から上昇した。25年中に計0・5%の利下げを行う想定で、通常の利下げ(0・25%)の場合、利下げの回数は年4回から年2回に減少した。