バイデン氏がウクライナ支援増強を指示 クリスマス攻撃のロシアを非難、退任前に圧力強化
【ワシントン=塩原永久】バイデン米大統領は25日、声明を発表し、ロシアに侵略されているウクライナへの軍事支援を増強するよう国防総省に指示したことを明らかにした。クリスマスに合わせた露軍による大規模攻撃を非難し、「米国と国際社会はウクライナがロシアの侵略に勝利するまで支え続けなければならない」と強調した。 バイデン氏は「露軍の凶悪な攻撃の目的は、ウクライナの人々を冬季に暖房と電気から切り離すことだ」と指摘。ウクライナ軍の防衛態勢の強化に「米国は絶えず力を尽くす」とした。 ウクライナ支援に消極姿勢をみせるトランプ政権の来年1月の発足を控え、バイデン氏はロシアへの圧力強化を急ぐ構えだ。 米紙ワシントン・ポスト(電子版)によると、バイデン政権は、政権交代までに追加制裁の発動を検討している。米欧が科した制裁の抜け穴として、ロシアは「シャドーフリート」(影の船団)と呼ばれる密輸船を使い、原油の輸出を続けている。米政権の追加制裁は、これらの船舶を標的にする可能性があるという。 米国防総省は7日、ウクライナへの9億8800万ドル(約1555億円)の追加軍事支援を発表。米財務省は10日、ウクライナ支援に、ロシアの凍結資産を活用して200億ドルを拠出すると表明していた。