ボートレースの舟券を不正購入 日本モーターボート競走会元職員ら書類送検へ
ボートレース(競艇)の事務などを担う「日本モーターボート競走会」に在職中に舟券を購入したとして、警視庁が10日、モーターボート競走法違反の疑いで、同会の平和島支部(東京都大田区)などに所属していた50代の元職員ら複数人を書類送検する方針を固めたことが、捜査関係者への取材で分かった。 モーターボート競走法は、競技を公正に行うため、実施機関などの職員や選手が舟券を購入することを禁止している。違反には100万円以下の罰金が科される。 捜査関係者によると、元職員らは令和4年~6年春ごろ、都内の競艇場などで舟券数口を購入した疑いが持たれている。インターネット投票(舟券のインターネット購入)を利用し、中には10数万回にかけて、計1千数百万円を投じていた者もいたという。 同会職員の舟券購入を巡っては、今年5月、江戸川支部の元職員が在職期間中に舟券を購入した疑いで書類送検された。 これを受けて、同会は全国の役職員750人に購入の有無の聞き取り調査などを実施。在職中に舟券を購入したとして職員22人を諭旨解雇処分とした。 警視庁は、同会からの告発を受けて捜査を進めていた。 ■ボートレース業界、相次ぐ不正 舟券のインターネット購入制度の導入などを背景に、昨年度は過去最高となる2兆4千220億円を売り上げたボートレース。人気が高まる一方で、職員や選手による不祥事が相次いでいる。 令和2年、ボートレースで順位を操作し、見返りに現金計約3400万円を受け取ったとして元レーサーが名古屋地検特捜部に逮捕された。 翌3年には、選手らによる新型コロナウイルス対策の持続化給付金の不適切受給が発覚。選手は日当や各種手当、賞金を収入としているが、複数の選手がフライングなどの違反による出場停止期間の減収をコロナの影響と装い不正に受給していたという。関与した選手は211人にも上った。 今夏には、職員ら複数人による禁じられている舟券購入が明らかになった。国交省は問題発覚のたびに、コンプライアンスの徹底を求める指導などを実施。昨年10月には業務停止の可能性も伝えていたという。(橋本愛)