在住者レポート「アルゼンチンは今」 オベリスコ前に集まり天に両手上げ〝GENKI〟送る=鳥山明追悼で熱狂的元気玉集会
必殺技の元気玉作り、「アキラ」と叫ぶ
「元気玉」とはドラゴンボールの必殺技の一つで、主人公の悟空が両手をあげて「オラに元気をわけてくれ!」と言って、この世のあらゆる存在から少しずつ〝元気〟をわけてもらい、敵に放つ必殺技である。スペイン語でもGENKI DAMAと書きますが、ヘンキダマと発音されます。 ファンから〝元気〟を集めてエネルギーの球体を空中に作り上げるというイメージで、追悼会では会場のみんなが両手をあげて、元気玉にエネルギーを送る仕草を繰り返し、「アキラ、アキラ」という叫び声を響かせました。鳥山明さんへのトリビュートの想いを〝元気玉〟の形で伝えるという気持ちが会場で共有されました。 誰もが鳥山明さんのことは「マエストロ」(先生)と呼び、同先生への感謝を込めて、また永遠に心に生き続けるという意味で、宙に向かって賛辞の拍手を送りました。 その場に居合わせた人に話を聞くと、「鳥山明先生はアニメという日本文化にとどまらない、新しいジャンルの文化芸術遺産を形成し、残した人だった」と多くの人が語ってくれました。
親子2代そろってドラコンボールファン
中でも、会社員のペドロ・アベル・フェレール(38)さんは主人公悟空の衣装を息子のバウティスタ君(11)と一緒に身に着けていました。どこで買ったのかというと、実は2019年12月3日の息子の6歳の誕生日をドラゴンボールのテーマにして祝ったので、特別に2日がかりで自分達で縫ったものだそう。誕生日会出席者には参加記念品でドラゴンボールグッズを配ったということでした。 「ドラゴンボールはシリーズを通じて、多くの人生に役立つことを教えてくれた。私たち親と同じく息子も大ファンなので、誕生日会にはドラゴンボールをテーマにしてほしいと自分から言い出した」のだという。 「自宅にはドラゴンボールのポスターやグッズでいっぱいです。ドラゴンボールは自分達の毎日使うコップのデザインになっているだけではなく、人生の節目を飾ってくれたものです」と溌剌と語った。