故・小倉智昭さんが語っていた「副業の苦労」と「老後の後悔」…シニアの起業の注意点とは
2016年に膀胱がんが見つかって以来、闘病中だったキャスターの小倉智昭さん(享年77)が今月9日、亡くなった。生前、小倉さんが語っていたのが自身の副業についてで、それが「タメになる」「心に響く」と話題になっている。 【写真】元グラドル井上晴美が熊本でスナック経営と話題 “元芸能人がママの店”が増殖中 小倉さんは、今年3月30日の日本経済新聞の〈「老後にやろう」はダメ〉と題したコラムで、こうつづっていた。 〈病床に伏せているとき、妻は資金のやりくりをするため会社と個人の通帳を見て「ほかに通帳があるよね?」と尋ねてきた。「ないよ」と言ったら驚かれた〉 95年にハワイ・オアフ島でラーメン店を、97年に東京で焼き肉店をオープンするなど、小倉さんは事業家としても知られていた。だが新事業のため社員を増やしたタイミングでコロナ禍と自身の病気が襲い、その際、資金難に陥ったが、最終的に妻が蓄えていた老後資金に助けられ、コレクション用に借りていたビルを引き払うなどしたという。 ビバリーヒルズに豪邸が立つほどの本業の稼ぎを事業につぎ込んだという小倉さんは、副業での苦労を告白していた。 ■シニアの6割が起業に関心 人生100年時代といわれる中、中小企業庁編「2023年版中小企業白書」によると、シニアのおよそ6割が起業に関心を持っているというが、経済評論家の荻原博子氏はこう注意を促す。 「定年後にそば屋や喫茶店をやりたいと夢見ている人は少なくありませんが、起業の際、老後資金の退職金や貯金をつぎ込むのはやめたほうがいいでしょう。やはりビジネスなので事業計画や収益性などを考慮して始めるべきところを、すべて自己資金で賄うとその点が甘くなるからです」 失敗確率を下げるためにも、あえて融資を受けることが大切だという。 「なぜなら、きちんと審査を経て事業として成り立つと認められたビジネスなら成功確率が高いからです。それとなるべくコストをかけないこと、そして奥さんから同意が得られないならやらないことです」(荻原氏) 小倉さんは次のようにも話している。 〈体が動くうちに海外旅行をすればよかった。ワインのおいしいお店に行っても自由に飲めない。若いうちにやれることがあったらやったほうがいい。老後にやろうと思っていても、老後になるとできないことがあまりにも多すぎる〉 SNSでは、小倉さんの言葉に共感する声が非常に多いのだ。