春限定版も登場! 沼津の名物駅弁「港あじ鮨」は、どのように作られるのか?
桃中軒によると、発売から20年以上経ったいまもお客様に受け入れてもらっているのは、酢で〆すぎず、昆布で〆た、酸っぱすぎないアジの美味しさが第一。そして、すり下ろしていただく伊豆天城産のわさびに加え、茎わさびを酢飯に混ぜ込んだり、わさびの葉っぱを使うといったわさびの隠し味ではないかと分析していると言います。静岡近海のアジに加え伊豆天城のわさびを手間を惜しまずに使うことで、沼津らしさが際立つ「港あじ鮨」です。
この「港あじ鮨」ですが、例年3月1日から4月30日の間は、「春限定バージョン」として販売されています。「春限定」が通常と異なる点は、「ぬまづ鯵鮨」に使われているしその葉が、「桜の葉」になること。ふたを開けた瞬間から、フワッと桜の香りが広がる、春らしさ満点の駅弁です。ちなみに、桜餅などに使われる桜の葉は、全国の約7割が伊豆半島にある静岡県松崎町で生産されており、じつは「ご当地らしさ」も満点なのです。
春の青春18きっぷシーズンも始まって、東海道本線を走る普通列車も、いつもより多くの人で賑わうこの時期。3月16日のダイヤ改正からは、熱海~浜松間を直通する列車も増えるようですが、青春18きっぷで長旅をするときのポイントは、しっかりと食事や休憩を取ること。列車代を浮かせたら、食事にはちゃんとお金をかけたいものです。次回は明治時代から東海道の旅人のお腹を満たしてきた桃中軒のトップに話を伺っていきます。
ライター望月の駅弁膝栗毛 「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介! 著者:望月崇史昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。 駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/