稼働予定の中間貯蔵施設 青森県が独自課税案 使用済み核燃料に
原発から出る使用済み核燃料を原発敷地外で中間貯蔵する全国初の事業に対し、青森県は11日、独自に課税する方針を表明した。対象は同県むつ市の中間貯蔵施設（リサイクル燃料備蓄センター）に搬入する使用済み核燃料で、1キロあたり620円を課税し、2028年度末までに約2億5600万円の税収を見込む。13日開会の県議会に関連条例案を提出し、可決され、総務相の同意を得れば、7～9月とされる事業開始後に課税が始まる。 【写真】使用済み核燃料の中間貯蔵施設内部。使用済み核燃料の搬入を前に、青森県の有識者会議委員らが視察を行った=2024年6月6日午後3時0分、青森県むつ市 新たな税金は施設を運営する「リサイクル燃料貯蔵」（RFS）が納め、むつ市が同施設での中間貯蔵に同額の1キロあたり620円を課税する条例を施行済みのため、県と市が課税する「二重課税」となる。総務省によると、使用済み核燃料への二重課税は九州電力玄海原発のある佐賀県玄海町と県、四国電力伊方原発のある愛媛県伊方町と県に続き、全国で3例目。宮下宗一郎知事は「（中間貯蔵施設の）安全対策、地域振興に活用していきたい」と記者団に述べた。東京電力福島第一原発事故後に原発の再稼働が滞る中、自治体税収を増やす課税として広がりつつある。
朝日新聞社
