８回から登板して２イニングを無失点に抑えた関大・金丸夢斗投手

◇１２日　関西学生野球秋季リーグ　関西大７―６関西学院大（大阪市南港中央野球場） 　今秋のドラフト会議で中日の１位指名候補として最有力とされる関西大の金丸夢斗投手（４年・神港橘）が１２日、大阪・南港中央球場で行われた関西学生秋季リーグの関西学院大戦で救援登板し、２イニングを１安打無失点に抑えた。バックネット裏にはプロ野球８球団のスカウトが集結。中日は３人体制で最速１５４キロ左腕に熱視線を送った。 　　◇　　◇　　◇ 　落ち着き払った投球を、中日を含むスカウト陣が静かに見守った。関西大・金丸が直前に２ランで１点差に迫られた８回に登板。１死後に四球を出しながらも、次打者の投直を冷静につかみ、一塁へ転送して併殺。９回は先頭に内野安打を許したが、後続の投ゴロを二塁に送って封殺し、最後は三ゴロ併殺で１点を守り切った。 　「１点差の嫌な感じの場面だったが、ここで任されるのが自分だと思う。みんなの思いを背負って投げました」。チームは勝ち点３で首位の関西学院大に次いで、勝ち点２で２位につける。リーグ優勝の望みをつなぐためにも負けられない試合を制し、笑みがこぼれた。 　中日は井上一樹新監督も交えて１０日に行ったスカウト会議で、投手から１位候補を絞る方針を固めた。最有力候補の金丸をチェックすべく、この日は音チーフスカウト、米村シニアディレクター、山本スカウトの３人が視察し、音チーフスカウトは「インコースにしっかり投げられていたし、守備も十分できる。力は分かっているので、あとはうちが行くかどうかです」と話した。 　大事な試合での落ち着いたマウンドさばきも確認して心配要素はなさそうだ。今春に腰の骨挫傷でリーグ戦を途中離脱した影響もあり、今秋は救援のみでの起用。開幕時から本調子ではないながら登板した全試合で無失点と無双状態が続く。現在は「７０～８０％くらいです」と調子も徐々に上げてきた。 　関西大は最終週に試合がないため、翌１３日の２回戦で連勝すれば、その試合がチーム最終戦となる。競合必至の左腕の一挙手一投足に、竜スカウトも最後まで視線を注ぐ。