日本の高校球児だった侍J撃破の台湾主将 野球留学の学びを繋いだ世界一「技術、文化も…」
台湾の陳傑憲、戸郷から3ラン「こんなこと想像できない」
野球の国際大会「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」は24日、東京ドームで決勝を行い、台湾が日本に4-0で勝利した。敵地で悲願の初優勝。1点リードの5回に30歳の陳傑憲(チェン・ジェシェン)外野手が、日本の先発・戸郷翔征投手(巨人)から右翼席へ3ラン本塁打を放った。5打数3安打3打点に中堅守備でも貢献し、大会MVPに選出。岡山・共生高で高校球児だった当時から、12年後に叶った大きな夢。試合後は両国の野球交流がさらに発展するよう願った。 【画像】「感動した」「素晴らしい」 プレミア12優勝後、日本に敬意を示した台湾代表の写真 ダイヤモンドを回りながら突き上げた右手人差し指に、世界一への想いがこもっていた。 台湾の「3番・中堅」で先発した陳傑憲は1点リードの5回1死一、二塁で打席に立つと、フルカウントから低めの速球を豪快に引っ張った。打球は右翼席へ飛び込む貴重な3ランとなり、胸のチーム名を何度もアピールしながらホームイン。リードを4点に広げ、そのまま優勝へと突っ走った。この日3安打、今大会は24打数15安打で打率.625、2本塁打、6打点の大暴れでMVP。試合後はナインと何度も抱き合い、喜びを分かち合った。 「今は本当に夢みたいです。こんなことは想像できなかった。戸郷選手はとても素晴らしい投手だとわかっていたけど、負けたくなかった。自分を信じて一球、一球に向き合いました。神様を信じた結果で、ラッキーもあったと思います」 そんな陳傑憲の根っこには、日本の野球がある。高校時代は、岡山・共生高で白球を追った。2012年、最後の夏は「3番・三塁」が定位置。2回戦で関西高に破れ、甲子園には手が届かなかった。 「試合開始から試合終了まで決してあきらめない姿勢やチームワークの良さ、そしてグラウンドにいる選手も、ベンチにいる選手も、どんな時も一球、一球集中していること。こうした日本の選手の姿勢は、我々が学ぶべきものだと思っています」 日本野球の怖さ、粘り強さを知っているからこそ、その壁を超えたときの喜びも格別だった。