【徹底解説】 「トランプ氏圧勝 バイデン氏苦境」か 米大統領選 第1回テレビ討論会
■女性の中絶の権利について
人工妊娠中絶については2024年の大統領選挙で重要な争点の1つだ。中絶の権利については、2022年に米連邦最高裁が憲法で保障されているとした「ロー対ウェイド」判決を覆した。中絶の権利を擁護するバイデン氏と、各州で規制が進められるべきだと考えるトランプ氏で互いの非難の応酬となった。 トランプ氏 「51年前、『ロー対ウェイド』判決があった。誰もが州に中絶に関する規制の判断を戻すことを望んでいた。そこで私は、3人の偉大な最高裁判事を最高裁判所に任命した。彼らは偶然にも『ロー対ウェイド』判決を見直し、州に中絶規制の判断を戻すことに賛成票を投じた。これは誰もが望んでいたことだ」 トランプ氏は、中絶問題を各州に戻すことが正しい行動だと主張。 バイデン氏 「『ロー対ウェイド』判決が下されたとき、大多数の憲法学者はその判決を支持した。政治家が女性の健康に関する決定を下すべきではない。医師がその決定を下すべきだ。そして私が選出されたら『ロー対ウェイド』判決を復活させる トランプ氏 「『ロー対ウェイド』判決では妊娠後期の中絶が認められる私たちはそれが良いことだとは思わない。むしろ過激なことだ。私たちは民主党が過激派だと考えてる」 バイデン氏は、「ロー対ウェイド」判決を最高裁が覆したことを非難。 バイデン氏 「51年間、女性の中絶の権利はこの国の法律だった。この男が最高裁に保守的な判事を指名したため、その法律は取り消された。そしてトランプはそのことを自慢している」 バイデン氏は、トランプ氏が保守派を連邦最高裁判事に指名したことで、人工妊娠中絶権の撤廃が可能になったとトランプ氏を非難した。
■国境管理と移民の問題について
前回の大統領選挙でトランプ氏がメキシコとの国境に壁の費用をメキシコに負担させると述べた時には荒唐無稽に思われたが、費用は別として実際に700km以上の壁が建設され、ゼロ・トレランス政策のもと、母子が引き離される事態に批判が起きた。 バイデン大統領は就任直後に、壁の建設の中止を宣言したが、メキシコからの不法移民が過去最多を更新するなど対策迫られ、去年壁の建設を一部再開。大統領選を前に事実上の国境封鎖も表明した。 まずはバイデン政権下で記録的な数の不法移民が入国し、ニューヨークやシカゴなどの大都市が負担を強いられていることや、安全上の負担が生じていることについて見解を求められた。 バイデン氏 「超党派の合意を得るために努力し状況は変わった」 「亡命審査官を大幅に増やし、国境警備隊は私の考え方を支持している」 「トランプ氏が大統領だった時、彼は赤ちゃんをを母親から引き離し、家族を離れ離れにした。ひどいことだ」 「私たちが法律を変えてからアメリカの国境を 不法に超える人が 40%減った」「トランプ氏が政権を去った時より 良くなっている」 「これからも完全に止められるまで、さらに国境警備と亡命審査官とともにやる」 バイデン氏が発言をまとめられなかったところを、トランプ氏はすかさず突く。 トランプ氏 「発言の最後で何を言っているのかよく分からないが 、バイデン氏自身もよく分かっていないのだろう」 「私たちには最も安全な国境があったのだから、そのままに しておけばよかっただけだ」 「だがそれをまた開放し、刑務所や精神科病院や施設からきた人々にテロリストに国を開いた」 「世界中からテロリストがやってきている。南米ではなく、中東やあらゆるところからこの国になだれ込んでいる」 「今や過去最も危険な国境になり、そこで人々が死んでいる」 バイデン氏 「テロリストがひとりも入って来なかったとは言わないが刑務所が空になっていて私たちが歓迎しているというのは事実ではない」 「彼が言ったことを示すデータはなく、誇張している彼は嘘をついている」 トランプ氏 「バイデン氏こそが水質汚染などで数百人 数千人を殺し、入境者はニューヨークやカリフォルニアでアメリカ市民を殺している」 「もう滅茶苦茶だ。もう国境がないからだ。今や州が 国境と化している」 「彼のバカげた、おかしな政策で流入した人が我々の市民を殺している」 「移民犯罪と言うが、私は『バイデン移民犯罪』と呼びたい」 「彼らを早く追い出さなければこの国を破壊してしまう」