かつらぎで「花園の仏の舞」20年ぶりに奉納 多くの観劇者が訪れる
和歌山県指定無形民俗文化財「花園の仏の舞」が11月17日、不蒔菜山(まかずなさん)遍照寺(かつらぎ町花園梁瀬)で行われた。主催は花園村郷土古典芸能保存会。(和歌山経済新聞) 【写真】花園郷土古典芸能保存会のメンバー 「花園の仏の舞」は同寺院に伝わる古典芸能で、法華経「提婆達多品(だいばだったぼん)第十二」に説かれる「女人成仏」がテーマの舞踏劇。同町によると、本来は60年に一度、旧暦十月うるう月の年に奉納されるという。1964(昭和39)年からは花園郷土古典芸能保存会が上演し、現在は保存継承のため20年に一度奉納している。 当日は、「龍宮城に住む龍女(りゅうにょ)を仏にするため、如来が龍宮城に赴き、舞を舞って鬼を説得し龍女を成仏させる」という物語に沿った舞が奉納された。 同会の浦中隆男会長は「古くから伝わっており、起源は定かでないが、調査で仏の面や台本の写しは1822(文政5)、江戸時代ごろのものと分かっているため、それよりももっと昔から伝わっている。山間地域は高齢化と人口減少が進んでいるので、継承のため今後は5年~10年ほどで奉納していけたら」と話す。 地域住民の女性は「舞は見るのは今回で3度目。1度目のことはもうほとんど覚えていない。今日は見られてよかった」と笑顔を見せていた。
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