愛する子・孫への「住宅購入費」援助で…暦年贈与プラス「1000万円非課税贈与」を実現する方法【税理士が解説】
贈与にはさまざまな特例が設けられており、人生最大の買い物といえる住宅取得にも「住宅取得等資金の贈与」の特例があります。具体的な条件等を見ていきましょう。※本連載は、公認会計士であり、税理士、社会保険労務士の資格を持つ五十嵐明彦氏監修の書籍『いちからわかる! 相続・贈与 2024年最新版』(インプレス)より一部を抜粋・再編集したものです。 年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
人生最大の買い物…「住宅購入」を応援する
贈与にはさまざまな特例が設けられています。若い世代に財産を譲ることによって、経済や社会を活性化させる目的があります。 人生最大の買い物といえる、住宅取得にも「住宅取得等資金の贈与」の特例があります。 この特例を活用すると、耐震、省エネ、バリアフリーなどの住宅では1000万円、それ以外の住宅の場合、500万円までが非課税となります。また、住宅性能のほか、床面積や耐震基準など細かな要件が定められているので、詳しくは税務署・住宅メーカーなどの担当者に確認しておくといいでしょう。 ただし、特例の利用期間が決まっており、2026年12月31日までに贈与される必要があります。 なお、非課税額には別途、暦年贈与も対応するため、最大1110万円まで対象です。一括贈与の翌年から、毎年110万円ずつ住宅ローン返済資金として贈与するという手を使えば、さらに大きな額を援助できます。
対象となる受贈者の要件には要注意
受贈者の主な要件として、直系卑属であること、18歳以上であること、などが挙げられます。つまり、家族への援助であっても子の配偶者への贈与には適用されません。 さらに注意したいのは、購入した住宅が配偶者名義であった場合です。この場合、子への贈与であっても資金の活用先は直系卑属外の資産となるため、特例は受けられません。夫婦2人名義の住宅として購入するといいでしょう。 ◆暦年贈与も組み合わせられる 特例のほか、暦年贈与も含めれば一括で1110万円まで贈与可能。さらに、翌年以降に110万円ずつ贈与すればより大きな額を援助できる。