ヘンリー王子の警護を巡る訴訟でわかった5つの事実 「ダイアナ元妃より危険な立場に置かれる」と主張していた
王室離脱時に英国の内務省が「公費による警備をつけない」と決定したことを不服として高等法院に訴えていたヘンリー王子。今週、判事は王子の申し立てを退け、政府の決定を支持した。この裁判の書類の一部が公開され、王子の主張やエリザベス女王の希望が明らかになった。 【写真】ダイアナ元妃の母としての素顔
王子は離脱後もロイヤルファミリーの行事に出席するつもりだった
裁判では王子やエリザベス女王の関係者が書いた書簡も提出されていた。その中には女王の私設秘書がRAVEC(ロイヤル及びVIPの警護を担当する委員会)の前議長に宛てたものも。そこには王子と妃が2020年、王室離脱を決めた当初のプランについて書かれていた。新聞「エクスプレス」によると「王子と妃が私的な慈善活動を行うために英国に戻り、女王が時折2人を私的な立場で王室の行事に出席し、家族の行事に参加するよう招待するかもしれない」ため、警察によるハイレベルの警護が必要だと秘書は書いていた。
エリザベス女王は王子の警護を望んでいた
判決では、女王が王子の警護の継続を望んでいたことが明らかになっている。私設秘書のエドワード・ヤングが官房長官に宛てた手紙に「エリザベス女王は、王子と妃に対して過激派から守るための警護を提供し続けることが不可欠だと考えている」「サセックス公爵夫妻の安全を確保することが女王とその家族にとって最も大切であることを理解できるだろう」と書かれていたという。
王子は「不当な扱いを受けている」と考えていた
王子は王室離脱前の2020年3月に行われたある会議で「自分が別の著名人に比べて不当な扱いを受けている」「自分よりいい待遇を受けている人物がいる」と訴えていたという。残念ながらその人物の名前は裁判の中で隠されている。また王子は当初、半分民間、半分王室の立場でパートタイムのロイヤルとして働くことを希望していた。エリザベス女王はそれを認めなかったのだが、王子はそのことで女王の私設秘書のエドワード・ヤングのことを責めていた。
王子は子どもたちを連れて2週間帰国する計画を立てていた
王子と妃は2022年9月にチャリティ活動のためにイギリスに帰国。その間にエリザベス女王が亡くなったことからそのままイギリスに滞在し、葬儀に出席した。裁判書類によると王子と妃はもともとはアーチー王子とリリベット王女も連れてくる予定を立てて政府側に知らせていたという。取りやめになった理由は明らかにされていないが、警護が問題になった可能性が高い。王子と妃の法律顧問が「提案された警護対策は『合法的ではない』『明らかに不十分』だと主張した」ことがわかっている。
王子はダイアナ元妃よりも危険な立場に置かれると考えていた
王子は警察による警護の対象外になったとき「23年前には誰も私の母をこのような立場に置こうとしなかった。私たちの場合は人種差別や過激主義が加わり危険が高まったのに、起こりうることに対して責任を負うことに誰も抵抗を感じていない」と内務省を批判していた。メーガン妃への人種差別や、自分が過激派から脅迫を受けている影響で、自分たちはダイアナ元妃よりも危険な立場に置かれると主張していたという。具体的な危険に関して書かれた部分は公開されていないが、王子はアフガニスタンに従軍しているときタリバンの戦闘員を殺害したことでアルカイダから脅迫を受けていたことを脅威として挙げている。