アスパラガスの白、緑、紫 色によって何が違う? 栄養や特徴など栄養士が解説
春を代表する野菜のひとつ、アスパラガス。緑色のグリーンアスパラガスが一般的ですが、品種改良や栽培方法の進化で、現在はホワイトアスパラガス、紫アスパラガスなども店頭に並びます。色によって違いはあるのでしょうか。栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに、アスパラガスの豆知識を伺いました。 【写真】味の濃さが違う! JA全農による旬のアスパラガスをシンプルにおいしく堪能する方法 ◇ ◇ ◇
アスパラガスの主な種類と特徴
アスパラガスが日本に伝わったのは江戸時代で、当時は観賞用だったといわれています。明治時代に入ってから食用として栽培されるようになりました。現代には、グリーン、ホワイト、そして紫色のアスパラガスもあります。まずは、それぞれのアスパラガスの特徴を紹介しましょう。 ○グリーンアスパラガス 地面から上に伸びた緑色の若い茎を収穫したものです。太陽の光を十分に浴びて育つので、みずみずしさとシャキシャキ感があり、やや青臭さが残ります。現在の流通量の90%以上を占めますが、青果として一般に広まったのは1970年代。ハウス栽培もあるので、4月頃から出回ります。また、10センチほどで早採りしたものはミニアスパラガスと呼ばれます。 ○ホワイトアスパラガス 品種はグリーンアスパラガスと同じですが、土寄せや遮光フィルムなどを使って、日光を当てずに栽培されたものです。やわらかく甘みがあり、旨味が濃いのが特徴。傷みやすいため、缶詰や瓶詰の加工品用としての栽培がメインでしたが、近年は生のものが5月から6月の短い時期に出回るようになりました。 ○紫アスパラガス 近年見かけるようになった種類で、流通量はまだ少なめです。香りが豊かで、やや甘みが強く、やわらかな食感が特徴。生食にも向いています。紫色はポリフェノールの一種アントシアニンによるもの。グリーンアスパラガスと品種は異なりますが、ゆでると緑色になります。 色の違いについては、栽培方法と含まれている成分に違いが。グリーンアスパラガスは光に当てて栽培することで葉緑素が生成され濃い緑色に、ホワイトアスパラガスは光に当たらないようにする軟白栽培で白色に、そして紫のアスパラガスは品種が異なり、表面にアントシアニンなどのポリフェノールを含んでいることで紫色になります。 春の時期に店頭で見かけたら、食べ比べをしてみるのも良いですね。