“海外留学”回復の兆し 母子で教育移住するケースも
コロナ禍で落ち込んだ留学希望者数が全国各地で徐々に回復しています。円安の影響などで費用負担が大きくなる中、海外へ一歩を踏み出す人を取材しました。 【写真を見る】“海外留学”回復の兆し 母子で教育移住するケースも ■物価高や円安の影響も… 留学生について政府は2033年までに日本人学生の海外留学者数50万人、外国人留学生の受け入れ数40万人の実現を目指す方針を打ち出し、支援に乗り出しています。コロナも落ち着いた今、海外留学について現役の高校生たちはどう考えているのか聞いてみました。 (高校生)「英語力が世界でどれぐらい通用するのか確認してみたい」「違う国に行って文化を学び、語学力を向上させるのはいいことだと思う」「経験したほうがいいと思うけど、一歩を踏み出す勇気がなかなか出ない」「知らない人と話す機会が多くなるので積極性が増すかなと思います」 アメリカの名門、スタンフォード大学への入学が話題になった花巻東高校の佐々木麟太郎さんのように、海外の学校に目を向ける学生も増えています。大分県内では県教委による留学支援制度の利用者数について、コロナ禍が始まった2020年度と2021年度はゼロでしたが、今年度はほぼ定員を満たしています。 留学経験がある大分豊府高校1年生の川嶋千瑚さんはアメリカに渡り、約1年間ホームステイで現地の高校に通いました。留学は幼いころからの夢だったという川嶋さんですが、現地では周囲の人の話すスピードについていけず、知らない人ばかりの中で、最初はつらい思いをしたといいます。 (川嶋千瑚さん)「日記を書くなど自分と向き合う期間が多かったが、ホストファミリーをはじめ、力になってくれる人に話すことで気が楽になることに気付いて、自分の課題を乗り越える一歩だった」 高校生を対象にした国の調査では、65パーセントが「留学したいと思わない」と回答しています。理由のトップは言葉の壁。最近は物価高や円安の影響で、経済的理由もネックとなっていますが、奨学金など金銭的支援を活用することもできます。