「中国に任意のレッドライン設定許すな」 頼総統、国際社会に呼びかけ/台湾
(台北中央社)頼清徳(らいせいとく)総統は25日、米議会の諮問委員会、米中経済・安全保障調査委員会(USCC)の訪問団と総統府で面会した。頼氏はあいさつで「中国が任意にレッドラインを設定するのを許すべきではない」と国際社会に対して望む考えを示した。 頼氏は、先月20日の自身の総統就任から間もなくして訪問団が来訪したことに「最も心からの歓迎と感謝」を表明。USCCのイニシアチブにより、米議会が各種の法制定を通じて台湾と米国の協力を強化していることに触れ、例として今年4月にインド太平洋の安全保障を強化する法案が米議会で可決されたことを挙げた。頼氏は同法について、台湾の自己防衛能力強化や台湾海峡における地域の平和と安定を守ることに寄与するものだとした。 また、中国が理由をつけて台湾海峡周辺や南シナ海での軍事行動を引き続き増加させ、外交圧力や経済的脅迫、認知戦、法律戦などの手段を組み合わせてグレーゾーンでの干渉を絶えず強め、地域の安定を破壊していると指摘。台湾は今後も責任を持って両岸(台湾と中国)関係を処理し、台湾海峡とインド太平洋の地域の現状維持に尽力すると述べた。その上で、国際社会は中国が任意にレッドラインを設定するのを許すべきではないとし、米政府や国会議員団が訪台によって、米国と台湾は共にあるとのメッセージを発信していることに感謝した。 (温貴香/編集:名切千絵)