「最後あると思うから、心の準備だけはしておけよ」1軍デビュー即初安打のソフトバンク育成5年目に甲斐拓也や柳田悠岐が見せた優しさ
◆オープン戦・ロッテ5―3ソフトバンク(8日、ZOZOマリン) ソフトバンクの育成5年目、石塚綜一郎捕手(22)が、〝1軍デビュー&初安打〟を果たした。この日、1軍に合流して代打で1打数1安打だった。 ■モイネロが危険な魚釣り上げた!?【写真】 緊張の瞬間を終えた石塚は晴れやかだった。「本当になかなかないことなので楽しもうと。結果、打席でめちゃめちゃ緊張したんですけど。打てたことでほっとした」。2点を追う9回1死一塁、代打で打席に立った。吉田の浮いた直球を中前へ鮮やかにはじき返した。 岩手・黒沢尻工高から入団5年目にして初めて1軍に呼ばれた。右も左も分からない中、チームメートが手を差し伸べてくれた。試合前は柳田が声を掛けてくれて一緒に話をしながら室内練習場に向かった。試合中も、自主トレをともにする〝師匠〟の甲斐がそばでアドバイスを送った。「(甲斐)拓也さんからも2回か3回くらいから『最後(出場が)あると思うから、心の準備だけはしておけよ』って言われた」。感謝は大きい。 今回の1軍合流は、谷川原が出場機会増のため2軍へ回ったことによるもの。支配下入りが目前に迫ったわけではない。それでも「シーズン中じゃ育成は出られない。1打席もらえたというのがありがたい」と出場できた〝意義〟を語る。 強打が自慢で、昨季は3、4軍戦を主戦場にファーム非公式戦でチームトップの22本塁打を放った。チャンスをつかまなければいけない年にもなってきた。「結果が出て良かった」。石塚のプロ生活にとって大きな一日となった。
西日本新聞社