発がん性…埼玉“PFAS”汚染調査 PFASの一種である「PFOS」「PFOA」、さいたま市の川で超過検出 雨の少ない時期・多い時期で差か さらに上流の8地点も超過、最上流地点は240倍に
埼玉県さいたま市は18日、8月に市内河川で実施した有機フッ素化合物(PFOSとPFOA)の測定で、南区の藤右衛門川・柳橋地点から国の暫定指針値(河川水1リットル当たり50ナノグラム)を超える数値が検出されたと発表した。また、川の上流の雨水幹線を追加測定した結果、複数地点で暫定指針値を超え、測定した最上流地点(浦和区上木崎4丁目)では同値の240倍となる1万2千ナノグラムが検出されたという。 埼玉“PFAS”汚染調査 PFASの一種「PFOS」「PFOA」、川の4カ所で超過 地下水が心配ない理由は
市環境対策課などによると、8月2日に水質汚染防止法に規定される「県公共用水域水質測定計画」に基づき、市内5河川7地点を調査。藤右衛門川の柳橋地点だけ150ナノグラムと3倍の値が検出された。同地点への再調査でも210ナノグラムと超過したため、原因が柳橋より上流にあると分析。上流部の藤右衛門川や支流の雨水幹線を12地点追加調査したところ、天王川雨水幹線など8地点で暫定指針値を超える値が出て、最上流部の浦和区上木崎4丁目地点では1万2千ナノグラムが検出された。 2021~23年の調査ではいずれも雨の少ない冬場に行い、7地点とも暫定指針値を下回っていた。今回は雨の多い8月に実施。ほかの4河川6地点は30ナノグラム以下だった。 市は流域で水道水源として取水しておらず、周辺の東浦和浄水場(浦和区駒場)と北浦和浄水場(同区針ケ谷)などで実施した水道水検査でも問題はなく、天王川雨水幹線、藤右衛門川雨水幹線ともに全面コンクリート張りで大部分は道路下の暗渠(あんきょ)のため、市民の健康への影響はないとみられるという。
今後は関係機関と連携し、引き続き原因特定へ追加調査を行うほか、これまでの年1回に加え、柳橋地点は測定の機会を増やしモニタリングを強化するとしている。