山梨県の長崎幸太郎知事（平尾孝撮影）

山梨県の長崎幸太郎知事は１７日、東京都千代田区の日本外国特派員協会で会見し、富士山５合目にゲートを設置し、今夏山シーズンから始める夜間のゲート閉鎖や１日４０００人の登山者上限の設定などの入山規制の取り組みを説明した。長崎氏は「山頂付近の混雑は将棋倒しのような大きな事故の危険があるほか、（夜間に一気に山頂を目指す）弾丸登山は高山病や低体温症を引き起こす可能性がある」として、規制が「登山者の命を危険にさらす問題への対応だ」と強調した。 【写真】入山規制ゲートの設置工事をする作業員 ゲート設置について、登山道は道路法の自由通行の原則によって規制できなかったと指摘。これに対し、「県道である登山道を道路でなくせばいい」として、条例を制定し、「登山道の一部を県管理の施設としたうえでゲートをつくり、規制できるようにした」と話し、「コロンブスの卵のような発想の転換だった」と振り返った。 また、山梨県が規制をすることで、登山者が静岡県側からのルートに移行することへの「恐れはある」としたが、「今はそれぞれの対策を進め、夏山シーズン終了後に両県の規制の調和を図っていくべき」と、今後も議論を進めていく考えを示した。