春ドラマ16本「ランキング」 賛否両論あった木村拓哉「Believe」で視聴率がガクンと落ちた世代とは
難しいターゲットの固定化
「ダブルチート」は向井理(42)が扮する警官が、詐欺師たちを懲らしめる。完成度は高いものの、午後8時台にドラマを放送する難しさ、放送枠の認知度の乏しさが低視聴率の背景にあるのだろう。 「アクマゲーム」は視聴者ターゲットを若者に絞り過ぎた気がする。10月に若者向けの映画として公開することが事前に決まっていたためか。 同じ放送枠の「ブラッシュアップライフ」(2023年)はほどほどに若者を狙い、その緩さが結果として良く、人気が全世代に広がった。ターゲットを固定化するのは難しい。 「街並み照らすヤツら」は急きょ制作された。別作品が予定されていたが、「セクシー田中さん」を巡る一連の問題に関連して、制作中止となったからだ。 なんとか間に合わせた苦労は分かるものの、やはり急ごしらえにありがちな難点が目に付く。なによりナレーションが多すぎる。脚本を練り上げる時間がなく、セリフや情景でシーンを表せなかったからではないか。 そうこうしているうち、夏ドラマが始まる。爆発的大ヒット作は生まれるのだろうか。 高堀冬彦(たかほり.ふゆひこ) 放送コラムニスト、ジャーナリスト。1990年にスポーツニッポン新聞社に入社し、放送担当記者、専門委員。2015年に毎日新聞出版社に入社し、サンデー毎日編集次長。2019年に独立。前放送批評懇談会出版編集委員。 デイリー新潮編集部
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