磐田MF山田大記主将が今季限りでの引退発表 J1逆転残留へ「残り2試合、魂を懸けて闘う」
J1磐田は26日、MF山田大記主将(35)が今季限りで現役を引退することを発表した。現在チームは自動降格圏の18位で、残留のためには今季ホーム最終戦となる30日の8位FC東京戦からの残り2試合連勝が絶対条件。厳しい状況を打破し、逆転残留をプロ生活14年の置き土産とする覚悟だ。 サックスブルーと歩んだ12シーズン。偉大な主将が、今季限りでユニホームを脱ぐ決断を下した。MF山田はクラブを通じ「今シーズン限りで引退することになりました。皆さんへの感謝の気持ちは、セレモニーにてお伝えさせていただきます。まずは残り2試合、魂を懸けて闘いたいと思います」とコメント。ホーム最終戦のFC東京戦後にサポーターらに直接思いを伝える考えを明かした。 逆転残留のためには残り2連勝が絶対条件。プロ14年の集大成となる活躍を誓った。この日はFC東京戦に向け磐田市内で公開練習。ミニゲームでも普段通りの軽快な動きを見せ、「厳しい状況なのは分かっているが自分たちを信じて戦うだけ。絶対に諦めない姿を見せないといけない」と力を込めた。 今季は負傷離脱もありながら23試合3得点。7月の川崎F戦では後半アディショナルタイムに劇的同点弾を突き刺し、8月の鹿島戦では逆転勝利の口火となる技ありボレーを決めるなど印象的な活躍を見せた。高い技術とクレバーな状況判断に加え精神的支柱としてもチームをけん引。「今年は特にチームのために戦える選手がそろっている。この仲間とやれる最後のヤマハをしっかり楽しみたい」と決意を新たにした。 過去3度全ての降格を経験。残留争いの中でリーグ終盤に突入しても、チームの一体感を強調し「今年はこれまでと雰囲気が違う。(横内)監督が変わっていないので積み上げがあるし、サポーターも含めてクラブが前向きに一体になれている」と話していた。今季最後のホーム戦。背番号10を中心に、スタジアムの全員で勝ち点3をもぎ取りに行く。 ◇山田大記(やまだ・ひろき)1988年(昭63)12月27日、静岡県浜松市生まれの35歳。4歳でサッカーを始め小、中学校時代は磐田の下部組織に所属した。藤枝東高を経て明大に進学し、11年に磐田加入。14年7月にドイツ2部カールスルーエに完全移籍し17年8月に磐田復帰。J1通算180試合28得点(26日現在)、J2通算122試合22得点。ドイツ2部通算89試合10得点。国際Aマッチ2試合無得点。1メートル74、67キロ。利き足は右。血液型はO。