「6月男」大谷翔平が本領発揮! 相手投手が“打ちやすい”真ん中に投げてしまうワケ
2日連続のホームランと“量産態勢”に入った大谷翔平選手ですが、この6月、どこまで記録を伸ばすのでしょうか?元メジャーリーガー・五十嵐亮太さんが分析します。 【画像】元メジャーリーガー・五十嵐亮太さんが“ピッチャー目線”解説!
■「状態が上がってきている」
(Q.きょうはすごいホームランでしたね?) 五十嵐さん 「そうですね、タイミングもばっちり合っていましたしね。強いスイングの良い角度のホームランだったと思います」 そのタイミングに注目して、改めて日本時間のきょう(13日)の17号ホームランを見てみましょう。第一打席の6球目でした。 五十嵐さん 「コースが甘かったんですけれども、そのへんの甘いコースをしっかりタイミングを合わせて振り抜いた結果で、本当に状態が上がってきているのかなと思います」 (Q.きのうのホームランもすごかったですよね。やはり好調だからでしょうか?) 五十嵐さん 「打席での内容がとても良くなっています。大谷選手は積極的なバッターなんですけれども、最近はボール球に手を出しがちだったんですね。ところが、きのうも含めてボール球に手を出さなかったりとか、きわどいところを見送ることが増えているので、ピッチャーが甘く投げないといけないんですよ。そこをしっかりと捉えてきている状況です」
■大谷選手をどう抑える?
ここからはピッチャー目線できのうときょうの打席を見ていきます。きのうの16号、きょうの17号を見ていくと、ホームランを打ったのはいずれも真ん中に来た球でした。 五十嵐さん 「なんで甘いコースに投げたかと思いますが、甘いボールを投げざるを得ない状況に大谷選手が持っていったんです」 (Q.どういうことでしょうか?) 五十嵐さん 「きょうのホームランで言うと、初球ボール球、2球目ストライクを取って、3球目でもストライクを取るんですね。ここでバッターをツーストライクに追い込んでいるので、ボール球を振らせたいっていう心理なんです」 (Q.ピッチャーのほうが有利ということですね) 五十嵐さん 「なので、ここ(4球目)で内角低めのスライダーで1球振ってほしいなって。でも振ってくれない。低めを見せたので、次(5球目)は、大谷選手は内角高めのボールが得意ではないので、内角高めに真っすぐを投げ込んで決めたかったんですけれども、ちょっと大きくそれてしまいました。スリーボールツーストライク(フルカウント)。大谷選手をフォアボールで出してしまうと、足が速いので盗塁される可能性もある。だったらストライクゾーンで勝負したいというピッチャー心理が働きます」 (Q.ここ(5球目)で決めたかった?) 五十嵐さん 「そうなんです。決めたかったんですが決めきれなかったので、6球目をストレートでいくのか、スライダー(変化球)でいくのかということになります。(大谷選手は)ストレートが強いので、だったら変化球ストライクゾーンで勝負しようっていうことで、結果ここに投げたんですが、これを見事にホームラン打ったかたちですね」 (Q.抑えるのは難しいことだと思いますが、五十嵐さんだったら、大谷選手はどう押さえますか?) 五十嵐さん 「同じような感じになると思います。追い込んでからボール球を振らせたいんですよね。大谷選手は状態が良くない時は、内角低めを振ってくれたり、高めを振ってくれたりしていたんです」 「そうするヒットの確率はぐんと下がるんですけれども、ここ最近は、低めの変化球を我慢するとか、高めのまっすぐっていうのを我慢しているので、ピッチャーからすると心理的に非常に苦しくなります。(今は)甘いコースをしっかり捉える、かなりいい状態になっていると思います」