格差のない地域社会へ 奄美市男女共同参画審議会 委員任命、印南氏の講演も
鹿児島県奄美市の男女共同参画審議会2024年度第1回会合が8日、奄美市役所であった。23年3月に策定された第2次奄美市男女共同参画基本計画(23~32年度)の実施状況を審議することを目的に設置。委員15人を任命したほか、元県大島支庁長で現在は瀬戸内町政策顧問などを務める印南百合子氏がジェンダー平等の視点を踏まえた地域経営の在り方について講演した。議事は非公開で行われた。 計画は国の「男女共同参画社会基本法」と市が06年に策定した「奄美市男女共同参画推進条例」に基づく。三つの基本目標と7項目の重点分野、それに伴う具体的な施策などを掲げ、誰一人取り残さない持続可能な社会の実現を目指す。 審議会は関係各団体の代表や行政担当者、公募委員などで構成。任命された15人には委嘱状が手渡された。任期は2年。 印南氏は、1999年の基本法制定後に男女共同参画の普及が遅れた要因として、公の場でジェンダー平等が語られてこなかったことを挙げた。男女格差のない雇用環境を求めて若い女性が地方から流出する傾向も指摘。 「若者の価値観に寄り添い、若者に選ばれる地域になろうとしているかが問われている」とし▽賃金上昇▽(デジタル技術など)高度人材向け雇用の創出▽女性の雇用環境の改善、男女格差の解消─が持続可能な地域社会の実現に重要であることを強調した。 事務局の市企画調整課市民協働推進室によると、議事では審議会委員から会長に重信千代乃氏、副会長に伊東隆吉氏を選任し承認された。同計画施策の23年度実施状況に関する市の内部評価も報告。評価の審議は第2回会合で行うとし、日程を11月7日に決めた。