センバツ高校野球 全力で選手支える「ナイン」 関東一・女子マネジャー /東京
◇おにぎり38.5合/お守り手作り 第96回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)に出場する関東一(江戸川区)のチームを、9人の女子マネジャーが支えている。練習に参加できる日は限られているが、大会運営やグラウンドの整備、おにぎり作りなどで、「全国制覇」を目指す選手を全力でサポートする。【小林遥】 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 同校野球部の練習グラウンドは千葉県白井市にある。スポーツコース以外の生徒は6時限まで授業があり、マネジャーをすることができるのは休日のみ。また、マネジャーは公式試合に記録員としてベンチ入りできない。それでも、毎年マネジャーを希望する生徒は多く、現在は2年生4人、1年生5人の計9人が在籍している。 マネジャーのうち3人が野球経験者だ。その一人、杉本美優さん(2年)は選手ではなくても野球に携わりたいと同校野球部に入部した。同じく経験者の高橋ひさのさん(1年)と壺井穂花さん(同)も「高校では支える側に挑戦したい」とマネジャーになった。 選手の戦う姿を見て入部を決めた生徒もいる。篠田百椛(もか)さん(同)は、甲子園で応援したいと強豪の同校に入学。昨春の都大会を球場で見て、「マネジャーとして応援したい」と入部した。 マネジャーがすることは、グラウンド周辺の整備や寮内の掃除、練習のサポートなど多岐にわたる。午後は、休憩の合間に選手が食事を取れるように人数分のおにぎりを作る。毎回38・5合を炊き、「外で食べるので、こぼれないように強く握る」(杉本さん)と工夫する。大会期間中は、試合のアナウンスやスコアボードの操作など大会運営にも携わり、入学前にスコアシートの付け方を練習してくる生徒もいる。 遠征などがあるときは朝4時起きという向後紗代さん(2年)は「選手から『ありがとう』と言われるとうれしいし、やりがいを感じる」と話す。関東一のマネジャーだった知り合いからマネジャーの楽しさを聞いて入部した島田英衣(はなえ)さん(同)は「試合では選手より声を出して応援している」。また、新倉愛唯(めい)さん(同)は「これまで選手が頑張ってきた姿をずっと見続けてきた」と甲子園での活躍を期待する。 大会が近づき、2年生のマネジャーたちは選手にお守りを作った。桜井愛美(まなみ)さん(1年)も「甲子園で情熱を燃やしてほしい」と気合十分だ。 関東一のマネジャーの特徴は、「何事にも全力でやる」ことだという。谷和奏(わかな)さん(同)は「選手だけでなく、スタンドにいる保護者もみんなで盛り上がるような大会にしたい」。「日本一のマネジャー」を目指す9人に支えられ、選手は甲子園の大舞台に挑む。 〔多摩版〕