【筋肉×筋肉×筋肉】RTA筋肉走者・えぬわた氏と筋肉プロゲーマー・ときど氏、takera氏に「筋肉」について聞いてみたら、最初から最後まで筋肉の話だけになってしまった筋肉座談会
ゲーマーは、不摂生になりがちだ。 なぜならまず、ゲームを優先するあまり睡眠や食事が疎かになる。さらに長時間同じ姿勢でいることで肩こりや運動不足が慢性化。そして気がつくと「体のどこかがいつも痛い」「集中力が持たない」「カフェインに頼る」というような事態に陥ってしまう。そんな経験はないだろうか? 『Nプロテイン』画像・動画ギャラリー つまり、ゲームを長く遊ぶには体力が必要なのに、多くのゲーマーは自ら身を削る行為をしてしまっているのだ。そういった側面から、ゲーム業界はプレイヤーも開発者も健康意識が低い印象がある。 そんなゲーム業界の健康問題について真剣に考えるひとりの男がいた。『リングフィットアドベンチャー』(以下、『リングフィット』)のRTA走者として知られるえぬわた氏だ。同氏は「すべてのゲーマーを健康にしたい!」と、このたびオリジナルのプロテイン「Nプロテイン」をプロデュースしている。 「Nプロテイン」は3名の筋肉プロゲーマー・ときど氏、GreedZz氏、takera氏の協力により制作されているプロテイン。まさにゲーム業界の “筋肉” が凝縮された一品といっても過言ではないはずだ。 しかし、彼らはこの不摂生になりがちなゲーム業界でなぜ筋肉を維持できているのだろうか。筋トレは体にいいとわかっていても始められないのが現実だ。睡眠も食事も疎かにしがちなゲーマーが筋トレに時間を割くなんて、そうとうの理由がないとできる気がしない。 その疑問を解決すべく電ファミ編集部は、えぬわた氏、ときど氏、takera氏を招いて「筋肉座談会」を実施した。 ときど氏は『ストリートファイター』のプロとして、takera氏は『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』(以下、『スマブラ』)のプロとして歴史を作り上げてきたが、それらの話はいっさいしていない。最初から最後までひたすら筋肉の話をするという筋肉純度100パーセントの内容となっている。 本稿では「健康」という大きなテーマのなかで「筋肉との向き合い方」にとことん語り合っていただいた筋肉座談会の様子をお届けしていく。 聞き手・文/柳本マリエ 編集/実存 撮影/佐々木秀二 ■東京大学にはボディビルダーの教授による「筋トレの授業」がある ──本日は、「健康」という大きなテーマについて語り合っていただきたくお集まりいただきました。といいますのも、プロゲーマー、ストリーマー、ゲームクリエイターなどゲーム業界は体力が必要な職業でありながら「健康にまでなかなか気が回らない」という現状があるかと思います。そういった現状についてみなさまの実体験やお考えをお聞かせください。 えぬわた氏: あっ、その前に私から柳本さんをご紹介してもいいですか? ──私の紹介を!? ありがとうございます。 えぬわた氏: 電ファミさんには先んじて私のNプロテインについて取材をしていただいているのですが、プロテイン企画についてメッセージを送ったところ、編集部の柳本さんからご返信をいただきました。 柳本さんは『リングフィット』や『フィットボクシング』で運動をして30キロ減量され、ダイエット本「デブからの脱却」を出版されたご経験があり、筋トレやプロテインについてもお詳しいとのことで今回の座談会もご担当いただいております。 ときど氏: 30キロも? ……あったんですか? takera氏: すごいですね。 ──ご紹介ありがとうございます。筋トレに関しては自分でもやっていたこともあり、みなさんの普段のトレーニングや食事内容なども含め、どのような生活をされているのかとても興味があります。ただ私は運動に対する苦手意識もいまだに強く、どうしても「めんどくさい」と思ってしまうので、みなさんの筋トレに対するモチベーションなども今日はおうかがいできればと思っております。 ときど氏: 電ファミさんにこんな適任の方がいらっしゃったんですね。 えぬわた氏: そうなんです。 ──それではまず最初に、みなさんが筋トレを始めたきっかけについておうかがいできますでしょうか。「筋トレは体にいい」とはわかっていても、きっかけがないとなかなか始められないと思うんです。 えぬわた氏: 私はもともと小学生のころから体操競技をやっていたので、おのずと筋肉がついていたというのが正直なところです。そのため、「どこを筋トレのスタートにするか」はちょっと難しいのですが……。 ジムに通ってプロテイン飲むというような本格的な筋トレを始めたのは2018年くらいです。けっこう驚かれるんですけど、きっかけは「コスプレ」でした。もともと筋肉質なほうではあったので、それを活かしたコスプレをしたいと思ったんです。ゲームやアニメのキャラクターって、ふつうの人間では表現できないような筋肉量だったりするので、ジムに通って増量しないと再現できないと思いました。 takera氏: たしかに特殊なきっかけですね。 ときど氏: ちなみにどのキャラクターを? えぬわた: 『パンチアウト!!』に登場するリトル・マックというボクサーのキャラクターです。『スマブラ』に参戦したことで有名になりました。筋肉系のキャラクターはほかにもいるのですが、小柄な私には『ストリートファイター』に出てくるようなキャラクターだと身長が足りないと思ったんです。リトル・マックはその名のとおり小さいけどマッチョだし、あとは顔もけっこう似ている気がして(笑)。 一同: (笑)。 takera氏: 任天堂のキャラクターはデフォルメされてるものが多いのでコスプレで再現するのが難しそうですけど、リトル・マックはうまくはまっていますね。 えぬわた氏: コスプレのために筋肉を増やすことはコスプレ界隈ではよくある話らしいです。ほかの人に言うと驚かれますが(笑)。 ときど氏: たしかに動機として納得できますね。 takera氏: 自分はもともと学生時代にバスケットボールをやっていました。でもゲームに集中するようになってからは運動不足になってしまい、どんどん太ってしまったんです。そんななかでいちばんのきっかけはコロナ禍でした。時間を持て余していたので軽い気持ちで筋トレを始めてみたら、どはまりしてしまいました。 えぬわた氏: コロナ禍がきっかけで筋トレを始めた人はけっこういそうですね。 takera氏: フィットネスブームがありましたよね。 ときど氏: 僕がトレーニングを始めるきっかけとなったのは、大学の授業で筋トレがあったからなんです。 ──ええっ、授業で筋トレが!? ときど氏: そうなんです。大学に、本も出版している有名なボディビルダーの教授がいて(笑)。週に1回その授業に出ればちゃんと単位がもらえるんです。トレーニングも教えてもらえるし、おもしろいなと。 takera氏: それって東京大学での話ですか? ときど氏: ああ、そうです。石井直方先生の授業を週に1回受けていたんですが、「もし可能だったら授業以外でも各自でやってみてほしい」と言われて週に2回くらい筋トレをしていました。 takera氏: 筋トレで単位が取れるのはうらやましい(笑)。 ときど氏: そうですよね(笑)。ただ、大学卒業とともにだんだんと筋トレをしなくなってしまったんです。再開したきっかけはゲームばかりしていたときに先輩からいただいた助言でした。 ──どんな助言だったんですか? ときど氏: 「今後もし注目されたときに備えて、見た目をよくしたほうがいい」って(笑)。たしかにそうだと思って、ゲーマー仲間たちとジムに行くようになりました。 ──みなさんは現在も筋トレを続けられているのでしょうか? takera氏: 自分はだいぶ控えめになってます。じつは久しぶりにやったときに首を痛めてしまって。たぶんストレッチが甘かったのが原因だと思います。それが大会の3日前とかだったので、それ以来、激しいものは控えるようになりました。気持ちとしてはやりたいのですが……。 えぬわた氏: 大会前の怪我は怖いですね。 takera氏: 自分が本格的に筋トレをするようになったのはコロナ禍で、大会もできない時期だったんです。そのためこれまでは無茶をしても生活に支障は出なかったんですけど、いまは大会が復活して多いときは毎週開催されるので、怪我が怖くて。そのあたりの付き合い方もみなさんに聞いてみたいです。 えぬわた氏: それなら軽い重量で回数を重ねるのがいいかもしれないですね。たとえばダンベルを使うにしても、重い重量で10回20回上げるのではなく、軽い重量で50回とか。軽くても、重いものとはまた違う刺激でしっかり筋肉はつきますから。 ときど氏: うんうん。 takera氏: たしかにそれなら怪我もしづらいですね。 えぬわた氏: 私は、いちばん筋トレをしていた時期と比べるといまは2割か3割くらいです。フィジークの大会に出場していたときや『リングフィット』のRTAをやっていたときは競技として向き合っていたので、そこから比べるとだいぶ落ち着きました。 いまは引退したアスリートじゃないですけど、趣味で筋トレをしているという感じです。 takera氏: 『リングフィット』のために筋トレをしていたんですか? えぬわた氏: してましたね(笑)。RTAは2023年2月に引退したのですが、その瞬間に筋トレも減ったのでやっぱり『リングフィット』のためにやっていたんだと思います。体重も5キロくらい落ちました。 一同: ああ。 えぬわた氏: いまは「健康のための筋トレ」になっています。 ときど氏: 僕もささやかながらずっと続けています。コロナ禍になって外にあまり出なくなってからは自宅にラックを置いて、自分のペースでゆるやかに。本当にゆるくやっている感じです。 takera氏: あれ、でも海外遠征のときはどうされているんですか? ときど氏: 海外遠征のときは、ホテルにあればやっていますね。「ホテルにジムがある」と聞いて喜んで行ってみたらランニングマシンしかなくてがっかりすることもよくあるのですが(笑)。 takera氏: 大会前に筋トレをすると、筋肉痛が気になったりしないですか? ときど氏: 気になります。なので、体をあたためる程度に軽いものだけやっています。 takera氏: なるほど。大会との付き合い方は自分が悩んでいるところだったので参考になります。 ■筋トレをすることで「踏ん張り合い」の疑似体験ができる ──筋トレをするようになったことでフィジカル面やメンタル面での変化を感じることはありますか? えぬわた氏: 私は昔から運動をやっていたのでフィジカル面での変化は感じにくいかもしれません。でも、メンタル面でいうと自分に自信がつきました。私は背が低いのですが、筋肉があることで「低く見えない」と言っていただけたりして。営業職をしていたときも筋肉があることで健康的に見えて役に立っていたと思います。 ときど氏: 僕もメンタルが強くなった実感はあります。筋トレをしていると「上がるか上がらないか」のところでけっこう気合を入れて踏ん張って上げたりするのですが、それって普段の生活ではなかなかないプレッシャーなんです。 でも、大会では普段の生活では経験しないようなプレッシャーがかかる。その感覚が筋トレと似ていて疑似体験のようになっているから大会でも落ち着いて力を出せるのかな、と。 えぬわた氏: ときどさんは踏ん張り合いになったときに勝っている印象がすごくあります。 ときど氏: あと、そもそも大会は待ち時間がすごく長いんです。この前のシンガポール大会なんて12時集合だったのに、始まったのが18時でした。 takera氏: それ、海外大会あるあるですよね(笑)。 ときど氏: 海外遠征は移動だけで体力を削られてしまうんですが、現地での僕は同じ日本のプレイヤーの人たちよりもピンピンしていて。筋トレをしていることで体力が鍛えられて優位に戦えているのかもしれません。 takera氏: フィジカル面でいうと、自分はもともと運動をしていたので筋トレを始めても変化があまりわからなかったんです。でもいま、1年くらいまともに筋トレができていないんですね。そしたら、毎日筋トレをしていた時期と比べて明らかに体が重い。筋トレを始めたときはわからなかったけど、やめたらすぐにわかりました。 あとは年齢も上がってきたので「今後やらないとまずい」という危機感もあります。 メンタル面に関しては、朝から筋トレをした日って自分が無敵になったように感じませんか? 一同: (笑)。 takera氏: 9時10時に筋トレが完了しているとめちゃくちゃ気持ちいい。 ときど氏: たしかにそれはありますね。 ■『リングフィット』はどの側面から見ても優れているフィットネスゲーム ──みなさんは昔から運動をされていたとのことなので筋トレもスムーズに始められたかと思うのですが、私のように本当に運動をしてこなかった人がいきなり筋トレを始めるとなるとすごくハードルが高いと思うんです。そういう人に向けて初心者でも取り入れやすい筋トレはありますか? takera氏: それでいうと『リングフィット』は筋トレ入門として有能すぎると思います。 えぬわた氏: 私も『リングフィット』がきっかけで運動を始めた方をたくさん知っています。そういう方々の話を聞いて興味深かったのは、運動嫌いだと思っていた方が『リングフィット』をやったら「楽しかった」と感じたそうなんです。体育の時間はすごく苦痛だったのに『リングフィット』は「楽しい」と。 つまり、運動自体が嫌いなのではなく、人に見られたりだれかと比べられたりすることが嫌だっただけで「体を動かすこと自体は好きだった」ということに気づいたそうです。その話を聞いて納得しました。 ときど氏: なるほどね。 えぬわた氏: 『リングフィット』は重たいものを扱うこともないので怪我もしにくいと思います。そういった側面でも本当にすごくよくできているフィットネスゲームだと私は思っていますね。 takera氏: 運動を始めるきっかけとして『ポケモンGO』も優秀だと思います。 えぬわた氏: ああ、そうですね。運動するときって動機がないとなかなかできないと思うんです。だけどゲームの場合はゲーム側が目標を与えてくれるから始めやすい。 だっていきなりジムに行くってなかなかハードルが高いじゃないですか。 takera氏: 最初は怖いですよね。ジムでなにをしていいかもよくわからないし。 えぬわた氏: takeraさんはジムに通われていたとのことですが、最初はどんな感じでしたか? 学生時代に運動経験があったから抵抗なく行けたとか? takera氏: そうですね。部活の一環で筋トレをしていたのでやり方はわかっていました。最初は筋トレ仲間と公営の市民体育館みたいなところのジムに行ったりして。だんだんとひとりでも行くようになりました。 えぬわた氏: なるほど。運動経験がないと、大人になって急に筋トレを始めようとしてもなにをしたらいいかわからない人は多いかもしれない。 ときど氏: じつは「なにから始めたらいいですか?」と聞かれることがけっこうあるんですけど、いつもうまく答えられなくて。 えぬわた氏: 私はマジで『リングフィット』と言っています。 takera氏: 『リングフィット』はかなりいいと思う。自分はずっと腹筋ローラーをすすめていたんですけど、よく考えたら運動をしていない人にはハードルが高いと思いました。膝をついてやったとしても難しいので。やっぱり『リングフィット』ですね。 ──私も『リングフィット』をずっとやってきたのでどれだけ優れているかは身をもって実感しているのですが、足にバンドを巻いてリングコンを持ってゲームを起動させることもけっこうハードルが高いんです。もっとこう、気軽にできる筋トレはありませんか? たとえば “ながら” でやる運動とか。 えぬわた氏: 昔は、歯を磨きながらかかと上げをしていました。歯を磨いているあいだって暇ですし、2~3分くらいやるとちょうどいい。やっていたときはめちゃくちゃ脚が強かったです(笑)。 ときど氏: へええ! たしかにちょうどいい隙間時間かもしれませんね。 えぬわた氏: いつでもどこでもできるのでおすすめです。 takera氏: 自分は最近、Twitchのチャンネルポイントに筋トレを入れました。腕立てと腹筋とスクワットみたいなものを作って、それを投げられたらやるっていう(笑)。 ときど氏: (笑)。 takera氏: もともと使い道に困っていたのでおもろいと思って。 ■筋トレをサボりたい! ジムを「行かざるを得ない場所」にする方法とは? ──筋トレは1日2日でどうにかなるものではないので継続が大事かと思います。なにかのきっかけで筋トレを始めても、「継続すること」が難しい。サボる理由はいくらでも出てきますから。みなさんはそれをどのように乗り越えているのでしょうか? えぬわた氏: 私はよく「筋トレをやります」と宣言しなさいと言っています。SNSでつぶやくとか。目標をいったん口に出すと「言っちゃったから見張られてるかな?」と、原動力になったりします。実際にはガチガチに見張られているわけではないですが、宣言することは大事だと思っています。 takera氏: サボりたくなる気持ちはわかる。個人的にはモチベーションを複数用意するといいと思っていて、たとえば筋トレを始めるきっかけって「モテたい」とか、わりとシンプルだったりすると思うんです。 でもそれだけじゃなく、サブのモチベーションも作っちゃう。 「新しいウェアを買う」とか、ジムに行くことが楽しくなるようなモチベーションを複数用意しておくとなにかしらに引っかかって行きやすくなると思います。 ときど氏: 僕はジムを「行かざるを得ない場所」にしてますね。 えぬわた氏: ああ、私もそっち派ですね。 ときど氏: 僕はプロゲーマーになりたてのころ、シャワーがない家を借りていました。 takera氏: なるほど(笑)。 ときど氏: 家にシャワーがないからジムでシャワーを浴びるんです。だから、毎日行かざるを得ない(笑)。さすがに行ったら運動もするので。 takera氏: 行くまでのハードルが高いから、行ってしまえばスッとできるんですよね。 えぬわた氏: あとは極端な例ですけど、「家と会社のあいだにジムがある」とか。帰りにジムを通れば強制的に通うルートになる。 takera氏: それでいうと、借りる家を決めるとき、ジムの場所は絶対に確認します。遠いとけっきょく行かなくなってしまうので。電車を使って通うのは自分には無理です。 えぬわた氏: わかります。いろんな方からジムの選び方などの相談を受けるのですが、いちばん大事なのは「家から通いやすいかどうか」です。 takera氏: それは間違いないですね。 ──でも、それでもサボっちゃうことはありますよね? ときど氏: ありますね。だいたいサボってます。 一同: (笑)。 ときど氏: 言い訳に聞こえるかもしれませんが、疲れたままやってもよくないんですよね。生活にも影響してしまったりするので。生活リズムって一定じゃないから、「今日はやめておこう」という日はどうしても出てくる。僕はそういうときは休みます。 takera氏: とくに睡眠不足のときは無理ですね。そういうときにジムに行っても萎えて帰ってくるだけなので。だったらその日は寝て翌日に行ったほうがいい。でも、それを繰り返してしまうとズルズルやらなくなってしまうのでどこかでがんばらないといけないのですが(笑)。 えぬわた氏: 私は、サボり癖がついてしまうことがいちばんよくないと思っているので「最低でも週1はやる」など、どこかでラインを設ける必要があるとは思います。 takera氏: これに関しては人のこと言えないや(笑)。 ■筋肉がつきにくい人はまず「食べる量」を見直してみるといい ──継続の壁を乗り越えて筋トレを続けたとしても、新たな挫折ポイントとして「筋肉をつけたいのになかなかつかない」というお悩みをよく聞きます。筋肉をつけるには栄養をしっかり摂ることが大事だと思うので、ここからはみなさんの食事についてもおうかがいさせてください。 えぬわた氏: これを言ったら元も子もないかもしれませんが、筋肉がつきやすい・つきにくいは体質によって差が出てしまうところかと思います。それを前提としたうえでつきにくい人はどうすればいいかというと、「食べる量」を見直してみるといいかもしれません。 筋肉がつきにくい人は「食べている」と言いながらその量がぜんぜん足りていなかったり、極端にバランスが偏っていたりすることが多いです。原因は人それぞれなので「これが正解」というアドバイスはできないですが、食事に原因があることが多い気がしています。 takera氏: わかります。だいたい食事が足りていない。 ときど氏: うんうん。 えぬわた氏: 食事の量が足りないと筋肉はつきにくいです。 takera氏: そういえば昔、すごく痩せている人が「食べているのに痩せてしまう」と言っていたので食事内容を尋ねたところ、ごはんが「白米のみ」ということがありました。たとえばそういう方が筋トレをしても筋肉はつきにくいと思います。 えぬわた氏: そうですね。人によって「食べている」の量が違うので難しいところだと思います。やっぱりある程度の量を食べないと胃袋は大きくならないですし、筋肉をつけたいなら筋トレだけではなく食事も重要視したほうがいいかと。 ──みなさんが普段の生活のなかで食事面で気をつけていることはありますか? 筋トレをしているときとしていないときとの違いや意識されていることがあれば教えてください。 えぬわた氏: takeraさんはオンオフはっきりされている印象です。 takera氏: そうですね。自分はオンオフが極端かもしれないです。たとえば減量期は3食オートミールの生活をしていました。脂質も1日50グラム以下を心がけていて、卵くらいからしか脂質は摂っていなかったり。逆に増量期は1日4000キロカロリー近く摂っていました。 いまは暴食だけ気をつけて、少し体重が増えたときは減量期の生活を挟んで最低限の体型を維持している感じです。 ときど氏: なるほど。メリハリが効いている。 えぬわた氏: 減量経験があると、ちょっと太ったときに戻す方法がわかっているからいいですよね。 takera氏: はい。武器を得ている感じですね。 えぬわた氏: 逆に戻す方法がわかっているから「太ってもいいや」と甘くなってしまう場合もありますが(笑)。 ときど氏: それはありますね(笑)。 takera氏: えぬわたさんはどうやって減量されてました? えぬわた氏: フィジークの大会に出るときは、糖質はほぼ摂っていませんでした。だいたい2週間前からが地獄で、1週間前は地獄のさらに下みたいな状況になります。糖質も脂質もほぼゼロで、2日前からは塩分も控えていました。 takera氏: 大会だとそうなんですね……。壮絶だ……。 えぬわた氏: はい。とはいえ本当に制限するのは大会の2週間前くらいなので、それ以外は融通が効きます。こういう経験があったからこそ普段の食事でも「今日はたんぱく質が足りてないな」など頭によぎるので、日ごろから栄養については考えるようになりました。 takera氏: 栄養のことは無意識に考えますよね。 えぬわた氏: はい。栄養を考える癖がついていると思います。 そのため、食事について相談を受けたときは「とりあえず栄養成分表を見て」と言っています。たとえばコンビニでなにか買うときもうしろの栄養成分表を見る。それを見るだけでも意識が変わるという話をよくしています。 ──栄養成分表のなかでとくにどのあたりを気にされていますか? えぬわた氏: カロリー、糖質、脂質はものによって数値がぜんぜん違うんです。たとえばおにぎりと菓子パンって金額は同じくらいでもおにぎりのほうが半分くらいのカロリーだったり。見るだけでもおもしろいです。 ときど氏: うしろの栄養成分表は僕もよく見ていますね。興味本位で菓子パンの栄養成分表を見ることもあります。 takera氏: わかる(笑)。 ときど氏: 「これひとつで550カロリー……!?」みたいな。 一同: (笑)。 takera氏: そうそう(笑)。だいたい予想は外さないですよね? ときど氏: だいたい外しませんね。予想と違っていいものを見つけると「おっ、やるじゃない」と買ったりします。 takera氏: でもたまに疑惑のものもありません? 一同: (笑)。 takera氏: 「たんぱく質35グラム? 本当に?」って(笑)。食べてみて本当にたんぱく質っぽい味のときと、改めて「本当に!?」と疑うときがあります。真実はわからないですけど。 ときど氏: そういう知識があることで食事の楽しみが増えるかもしれません。 takera氏: たしかにそれはありますね。 ときど氏: 僕は大会中はなるべく糖質制限をするようにしているんです。糖質を摂ると血糖値が上がってしまい、眠くなったり集中力が散漫になってしまうタイプなので。でも大会以外ではごはんも食べたいので、そのときは脂質を制限するようにしています。なんでも制限なく食べるとすぐ太ってしまうんですよ。 takera氏: そういう「引き算」ができるかできないかでぜんぜん違いますよね。 ■「この世のバグみたいな食べもの」をいくつかストックしておけば苦しくない えぬわた氏: 私は、takeraさんの「この世のバグみたいな食べもの」の話がすごく好きです(笑)。 takera氏: ああ、ありますね。 ──えっ、どういう食べものですか? takera氏: 基本的に人間の構造上、糖質や脂質の高いものを「おいしい」と感じるようにできていると思っているんですね。でもそこから逸脱してるやつがチラチラいるぞ、と。 ──(笑)。つまり、糖質や脂質が低いのに「おいしい」と感じる食べものがあるということですね。 takera氏: ええ。それが魚介系です。タコとかイカとか。あと、砂肝も。 えぬわた氏: めっちゃ食べてた! takera氏: 糖質や脂質が異常に低いのに、「なんでこんなにおいしいんだろう!?」みたいな(笑)。それを「この世のバグみたいな食べもの」と呼んでいるんです。そのバグみたいな食べものを自分のなかでいくつかストックして持っておくと、食事制限をしていても苦しくないと思っていて。 ──すごくよくわかります。私もときどさんと同じで眠気防止や集中力アップのために糖質制限をしていたのですが、バグみたいな食べものに頼っていました。たとえばチーズとか。糖質が低いのに濃厚でおいしい。とはいえ塩分がけっこう高いので大量に食べることはできないですが。 takera氏: そういう抜け穴を探すのが楽しいですよね。でも、バグみたいな食べものってだいたいちょっと高いんですよ。魚介系もチーズも。 ときど氏: そう! 高い! takera氏: 長く続けるとなると、経済的にきつくて最終的に鶏むね肉に行き着きます。 一同: (笑)。 えぬわた氏: 鶏むね肉は本当に安い(笑)。 ときど氏: 買いやすさでいうなら、あとは卵とか? えぬわた氏: おいしいかどうかはさておき、私は鯖缶をよく食べていました。 ときど氏: ああ、僕も鯖缶でみそ汁を作ってました(笑)。 えぬわた氏: 鯖缶は管理しやすくて便利ですよね。「1缶食べればたんぱく質が20グラムくらい摂れる」というわかりやすさもありますし。基本的に脂質も糖質も少なくて、手が出しやすい価格ではあるかと。でも味がついていると糖質が高くなるので注意ですね。 ときど氏: そうそう、みそ煮は糖質が高い。 えぬわた氏: 鯖缶なら水煮なんですよね。ただ水煮をおいしいと感じるかどうかは人それぞれだと思うので難しいところではあります。 ──私も基本的に鯖缶の水煮、たまに鮭缶の水煮を食べていました。 takera氏: 自分は食べすぎてちょっと飽きてます。鯖缶は。 えぬわた氏: その気持ちもわかります。私は水煮を玄米に混ぜて、そこに納豆を乗せて、卵を入れて食べていました。といっても減量期に食べてた食事ですが。それでもおいしいと思って食べていましたね。 takera氏: 苦行のように扱われるけど、思っていたよりおいしいですよね。玄米やオートミールをおいしく食べられるのは大きいと思います。 ──オートミールもいいですか? ときど氏: 僕はあまりオートミールは食べないかも……。 えぬわた氏: 私もあまり……。 takera氏: たぶん苦手な人は苦手だと思います。 ときど氏: オートミールの味つけはどうされてます? takera氏: 味つけはめんつゆに任せています。 作り方としては、まずオートミールに水を入れたら卵を乗せて1分半レンチンします。そこに茹でた鶏むね肉を入れて、めんつゆをかけて食べる。そうするとだいたい350キロカロリーくらいなので、減量期は3食それを食べていました。 えぬわた氏: takeraさんは筋肉の大会にも出たほうがよさそう。 takera氏: 出たかったぐらいですよ(笑)。ただ、減量しすぎで頭が回らなくなってしまうのが怖くて。 えぬわた氏: そうですね。筋肉の大会とプロゲーマーの両立は無理だと思います。 ときど氏: 無理ですよね。 えぬわた氏: 私も大会に出ていたころは本当にしんどかったです。それでも出ていましたが(笑)。ゲームにオフシーズンがあればできるかもしれないですけど、基本的にはないですからね。 ときど氏: 最近は大会が増えましたからね。それをいいことに減量していないというのもあります(笑)。おふたりはかなりストイックなので僕の知らない世界を経験されているんだと思います。 僕もある程度まで体を絞ったほうが集中力が増す感覚はあるので、そのギリギリのところまではできるだけしたいと思っているんです。でも行きすぎてしまうと逆に体調を崩してしまうリスクもあるため、塩梅が難しい。 takera氏: すごくわかります。 えぬわた氏: ゲームは頭を使うからバランスが難しいですね。 ■Nプロテインを作ったきっかけは、ゲーマーに健康について考えてほしいから ──食事面についていろいろおうかがいしましたが、プロテインについてはいかがですか? 選ぶときの基準などはありますか? ときど氏: 僕はいろいろ試すほうなので、選ぶ基準は「好きなYouTuberが出している」とかです(笑)。 一同: (笑)。 ときど氏: 本格的にトレーニングされている方からしたらミーハーな部分もあるかもしれません。なんとなく気になったものをとりあえず試してみて、自分好みの味に出会えたらラッキーくらいの感覚です。 takera氏: プロテインは本当にたくさんの種類があるのでまずは試してみるのがいちばんですよね。 自分は筋トレをしていたときはプロテインを3時間に1回くらい飲んでいました。その周期でたんぱく質を摂るのが理想と言われていたので、隙あらば飲む感じで(笑)。基本的に水で割って飲んでいたのですが、寝る前だけは吸収を遅らせるために牛乳で割って飲んだり。 えぬわた氏: それはガチですね。 ──間隔を空けないために夜中に起きて飲む方もいると聞きますね。 takera氏: 聞きますよね。マッチョ特有の生態として(笑)。 えぬわた氏: 私も会社でプロテインを飲んでたら同僚に写真を撮られたことがあります。その時間に飲まなきゃいけないからなんですが……こっちは真剣に飲んでいるのに(笑)。 takera氏: めちゃめちゃわかります。 ──ときどさんとtakeraさんはえぬわたさんがプロデュースされたNプロテインを試飲されているかと思いますが、実際に飲んでみていかがでしたか? takera氏: かなりおいしくて飲みやすかったです。昔、部活で飲んでいたときのプロテインと比べると技術の進歩にも驚きました。「プロテインのなかでおいしい」のではなく、飲みものとしておいしい。 ときど氏: 本当においしかったです。みんな普段からさまざまなプロテインを試しているので共通意見もありましたね。たとえばバニラ風味は甘さを強くしたり。真剣に議論したのでぜひ完成品を飲んでみてほしいです。 えぬわた氏: 本当においしく仕上がったので、手に取っていただけたらそのまま継続してもらえる自信はあります。 ──先ほどの「バグみたいな食べもの」の話に戻ってしまいますが、私はプロテインがまさにそうだと思っています。もう何年も飲み続けていますが、初めて飲んだときはおいしさに驚きました。 改めてえぬわたさんからNプロテインを作ることになったきっかけをお聞かせいただけますか? えぬわた氏: 私は2023年2月に『リングフィット』のRTAを引退しましたが、配信者として周りを見渡したときに「ゲーマーは体力が必要なのに不摂生になってしまう人が多い」という課題を感じました。ゲーマーはゲームを優先するあまり睡眠や食事が疎かになりがちだと思うんです。 ときど氏: わかります。 えぬわた氏: 私は、プロゲーマー、ストリーマー、ゲームクリエイターなども含めて、すべてのゲーマーが健康になってほしいと思っています。私自身がゲーマーだからこそ周りの仲間に健康の大切さを説きたい。そこにある種の “責任” を感じました。そこで改めて「自分がやり残していることはなんだろう」と考えたとき、プロテインを作ろうと思ったんです。 takera氏: ちなみにどうしてプロテインだったんですか? えぬわた氏: 私自身が毎日飲んでいるため身近なものだったということと、「おいしい」というポジティブな要素があり、運動がセットでついてきやすいためです。いきなり運動を始めるのはハードルが高いかもしれないですが、プロテインなら取り入れやすいと思いました。そうすることで、自分自身の健康について考えてほしいと思ったからです。 ──たしかにゲーマーは私自身も含めて不摂生になってしまう人が多いと思います。ゲーム業界におけるそういった健康面での課題について、よりよくするにはどうしたらいいと思いますか? えぬわた氏: それでいうと私は『星のカービィ』や『スマブラ』でお馴染みの桜井政博さんの活動が業界内にもっと広まってほしいと思っています。桜井さんは「体が資本だ!」という話をYouTubeでされていて、ご自身もエアロバイクを漕ぎながらゲームをしたりアニメを観たりしているので。 takera氏: 桜井さんはストイックですよね。 そういえば自分らの『スマブラ』界隈の話でいうと、対戦会が行われる会場の下にレンタルジムがあるんです。対戦会が終わるとみんなでそこを借りて筋トレをする流れができていて、すごくいいですよ。 ときど氏: へええ! それはうらやましいな。 takera氏: 身内同士で筋トレを教え合うんです。そういうコミュニティができてきています。レンタルジムだからほかの人の目も気にならないので初心者の人も入りやすいんですよね。 ■筋トレを始めたことで身についた栄養の知識が生活の質を上げている えぬわた氏: ちなみにこのあと、ときどさんとtakeraさんと私の3人でレンタルジムに行く予定なんです。せっかくなので。 ──(笑)。そうなんですか!? takera氏: はい(笑)。ご提案いただいたので。こういう動きをどんどん広げていきたいですね。自分は筋トレを始めたことで「栄養についての知識」を得たことも大きいと思っているんです。 一同: ああ。 takera氏: たとえば糖質や脂質の働き方とか。先ほどときどさんも言っていましたが、血糖値の関係で眠気に襲われることがあるじゃないですか。でも知識があれば集中したい大会前に栄養面からアプローチできたり。間接的ですが、かなり助けられています。 ときど氏: 筋トレは人間の体について学ぶことになりますからね。いいパフォーマンスを出せたり、いい睡眠を取れたり、そういう知識を得ることができるのはすごくメリットだと思います。 takera氏: そういう側面ももっと広まってほしいですね。 えぬわた氏: 栄養や体の仕組みについての知識があると、ゲームだけでなく生活全体の質が上がると思います。 ──みなさんは栄養についてどこで学びましたか? ときど氏: 自分の体というものに対して毎日意識しながら生きていると、自然と情報収集をしていますね。 takera氏: そうそう、気になったらすぐ調べちゃう。 えぬわた氏: 私は一時期、パーソナルトレーナーをつけていたのですが、専門家に教えてもらったことで世界が変わる感覚がありました。 私の場合はフィジークの大会に出るという特殊な状況ではあったんですけど、減量のスケジュール感など指導してもらいました。実際に体を見ながら「いまはこれくらいの糖質を入れたほうがいい」という感じでアドバイスしてもらえるんです。 ときど氏: 食事内容を見てもらうんですか? それとも筋トレのやり方とか? えぬわた氏: 私は食事と大会用のポージングを見てもらっていました。 takera氏: ああ、それはたしかにパーソナルトレーナーならではですね。 じつは自分も3カ月くらいつけていたことがあります。筋トレを始めたばかりのころ、ちゃんと学んでおきたいと思って。食事はもちろん筋トレのやり方も教えてもらいました。 ときど氏: 僕もつけていた時期はありますけど、いろいろ勉強になったと思っています。 ──みなさんパーソナルトレーナーをつけていたんですね。 takera氏: 安くはないですが、1回専門家に聞きたくなるんですよ(笑)。 えぬわた氏: 「客観的に見えてもらう」というのは自分ではできないことなので、そこがすごくよかったです。自分ではわからなかったのですが、「腹筋けっこう強いよ」と言われて「そうなんだ!?」と思いました。 ときど氏: そうそう。自分だと当たり前になりすぎて気づけないことはけっこうありますね。 ──残念ながらそろそろお時間が迫ってきたので最後の質問とさせていただければと思います。本日はお忙しいなかお集まりいただきありがとうございました。 それではひとりずつお答えください。“あなたにとって筋肉とは?” 一同: (笑)。 ときど氏: これは一般的な話ではないかもしれませんが、競技のゲームで若手と戦う機会が増えてきました。僕はいま38歳ですが、やっぱり若手はフィジカル面もメンタル面も強い。そういう人たちに負けないように、自分のなかで自信をつけるためにトレーニングを続けています。 もしかしたら日々の生活をするうえで、筋トレは必須ではないかもしれません。でもだからこそ騙されたと思って軽い気持ちでぜひやってみてください。少なくとも僕はいろんな発見があったので本当によかったと思っています。 takera氏: 自分は筋トレのおかげで運動の大切さを実感しました。とはいえ、運動量よりも「どうやったら楽しめるか」を見つけることが大事だと思っています。この世のバグみたいな食べものもそうですが、興味のあることを追求していくことはすごく楽しいです。ぜひ自分に合った方法を見つけてください。 えぬわた氏: 私は、「これから筋トレを始める人」がうらやましいと思っています。というのも、私の段階だとこれから激的に成長することが難しいんですね。だけどまだ初めていない人なら、「筋肉がついた」や「体が絞れた」など変化を楽しむことができる。筋トレにそういう発見がたくさんあると思います。 人の強みってホイホイ増えるものではないと思うのですが、私はこの体が強みであり、自分のなかで誇れるものができました。そういうものを持っていると人生が変わる気がします。(了) このあと3人は本当にジムに向かって消えていった。 「健康」についてはだれもが直面する問題ではないだろうか。筆者は幼少期から一貫して運動を避けてきたため、正直なところ運動に対する苦手意識が強い。しかしそれでも『リングフィット』や『フィットボクシング』を使って運動をしてきた理由は、明らかに生活がしやすくなったからである。 まず運動を取り入れたことで長年悩まされていた腰痛が激的に改善した。痛みというのは我慢しがたく、仕事や家事をしていると痛みで中断してしまう。しかし運動不足を解消したことで痛みが消えると、いままでやっていた作業が半分くらいの時間で終わるようになった。いままで痛みに耐えていた時間はなんだったのか。 「腰痛によって仕事や家事を中断していた時間」がどれほど無駄だったのかを思い知らされた。 人生に無駄な時間なんてないかもしれないが、痛みに耐える時間はないに越したことはない。筆者はそれが、運動不足という自らが招いた種だったからこそよけいにそう感じたのである。自らの健康問題に目を背けずに、もっと早く向き合っていればよかった。 えぬわた氏は筆者の二の舞になってしまうような人を増やさないために、「すべてのゲーマーを健康にしたい!」という意志のもと、ゲーム業界にプロテインを残して去っていった。 もしかしたら「筋トレをしていない人にとってプロテインは関係ない」と思うかもしれないが、そんなことはない。食事だけで1日に必要なたんぱく質を補うことはよほど栄養を意識していない限り難しいだろう。 そこで筆者のおすすめの取り入れ方としては、おやつをプロテインに置き換えることだ。プロテインは豆乳やアーモンドミルクで割るとデザートドリンクのようにおいしい。肥満2度だった筆者は、本格的に運動を取り入れる前にまずおやつの置き換えから始めている。ぜひ検討してみてほしい。Nプロテインは12月13日より発売中だ。 大切なことは、自らの健康について目を背けないこと。そして自分の体を知ること。 この記事を通じてそれが伝われば幸いだ。
電ファミニコゲーマー:柳本マリエ,実存
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