イラクで一時拘束の常岡さん、ISから解放された町の状況語る
過激派組織「イスラム国」(IS)が支配するイラク北部のモスル奪還作戦を取材中に一時拘束されたフリージャーナリストの常岡浩介さん(47)は10日の記者会見で、ISから解放された町の状況について語った。 【中継録画】イラクで一時拘束の常岡浩介さんが会見
一番ショックだったのは、14歳か15歳ぐらいと見られるIS兵士の遺体を目にしたこと。常岡さんは「おそらく、強制というか洗脳というか、天国に行くんだ、と教えられて突撃させられたのだと思った」と振り返った。 モスルに近いバルテラという町では、すべての家の壁に「イスラム教シーア派」「キリスト教徒」など、どのような宗教属性の人間が住んでいたかが分かるように書いてあるのを目にした。しかも、シーア派やキリスト教徒の家はことごとく略奪に遭い、焼かれていたが、イスラム教スンニ派の家は手がつけられていなかったという。 「人間にレッテルをはり、明確に宗派差別をしていたのだと思った。略奪したり、火をつけたりというのも、撤退するときに、自分たちが嫌いなキリスト教徒やシーア派には何も残さない、というイスラム国のやり方が見えた感じがした」と述べていた。 (取材・文:具志堅浩二)