【Over40】アラフォー以上に迫り来る「親の介護」という問題。年始の実家で親の異変に気づいたら
65歳以上の85%が「介護費用は自分でまかなうつもり」と回答
内閣府の「令和4年高齢者の健康に関する調査結果」によると、排泄などの介護が必要となった際、その介護費用を63.8%の人が「年金等の収入でまかなう」と回答しています。 「貯蓄でまかなう(18.3%)」「資産を売却する(3.1%)」と合わせると、介護費用を自分自身の資産から捻出すると回答した人は9割近いという結果になりました。 しかしながら、要介護状態が進むと本人が金銭管理を行うことは難しくなるものです。特に認知症の場合、進行とともに判断能力が低下して金融機関の口座が凍結されることもないとはいえません。 親の資産状況を把握し、その資産を守るためには、必要に応じて家族信託や任意後見などの制度の活用を検討していくのも有効でしょう。
一度の転倒が要介護に繋がる可能性も
とはいえ「まだうちの親は要介護ではないし……」と思うかもしれません。しかし、持病もなく元気だった人が、たった一度の転倒で大怪我をして要介護状態になってしまうこともあるのです。 厚生労働省の「2022(令和4)年 国民生活基礎調査」によると、要介護者の介護が必要になった主な原因として「認知症(23.6%)」「脳血管疾患(脳卒中)19.0%」に続き、3位に「骨折・転倒(13.0%)」があがっています。 骨折がきっかけで長期入院中に一気に認知面が低下してしまったというケースもよく聞かれます。 若い頃と違ってたかが転倒と侮ってはなりません。家の中、日頃の買い物の道中、お散歩コースに段差や危ない場所がないかなども気をつけて見ておきましょう。
アラフォー世代に迫り来る「親の介護問題」
2025年は「団塊の世代」すべてが75歳以上の後期高齢者となります。アラフォー世代にとって、親の介護や終活はもはや他人事では済まされなくなってきているのです。 育児や仕事とは違って先の見通しが立ちにくい中でも、長丁場を覚悟して「介護」と向き合わねばならない家族もいることでしょう。 要介護の状態や家族構成によってもケースバイケースでしょうが、親以上に子の世代にも心身のストレスや経済的な負担がかかってくるのは確かです。 介護する子の世代の生活基盤が崩れてしまっては元も子もありません。介護保険サービスをはじめとする社会資源を活用するなど、金銭面はもちろん、心理面での負荷もできるだけ減らせるような工夫や知恵が必要になってくるのです。
参考資料
・生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」 ・内閣府「令和4年 高齢者の健康に関する調査結果」 ・厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査」
吉沢 良子